徒然もの書きぱん

適当にアニメとかについて書いてます。今期は何について書きましょうか。

俺ガイル2期13話(最終回)の結衣のセリフの考察|やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続 11巻

はじめに

 こんにちは。

 ちょっと本業が忙しくて更新があまり出来ていませんでしたが、一段落ついたので更新したいと思います。
 今日やろうと思っていることは、最終話であった13話の結衣のセリフは結局どういう意味だったのかを皆さんから頂いたコメントも含めて考えたいと思いました。俺ガイルの余韻に浸りたい方はどうぞ見ていっていただけるとありがたいです。

追記(2015/07/09)

 毎度恒例ですが、コメントまでチェックしていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

前記事と浮かび上がったポイント

 13話の感想・考察記事をあげた際に、自分の考えとは異なるとても意味のあるコメントをいただいた。その記事がこちら。www.palepalette-blog.com

 それでその時に扱ったセリフがこれである。

あたしは全部欲しい。今も、これからも。あたし、ずるいんだ。卑怯な子なんだ。あたしはもう、ちゃんと決めてる。もしお互いの思ってることがわかっちゃったら、このままっていうのもできないと思う。あたしたちの最後の依頼は、あたしたちのことだよ。
ゆきのんの今抱えている問題、あたし答えわかってるの。たぶんそれが、あたしたちの答えだと思う。それで、あたしが勝ったら全部もらう。

このセリフの意味について、様々なコメントしてくださった。これからの奉仕部の存続についてや八幡への気持ちについてなど、様々なコメントをいただくことができた。

僕が考えていたセリフの意味

あたしは全部欲しい。今の友人関係としての奉仕部も、これからの恋人関係になった八幡も。あたし、ずるいんだ。どっちも諦められない卑怯な子なんだ。あたしはもう、これからどうするかちゃんと決めてる。もしお互いの思ってること(八幡を好きという気持ち)がわかっちゃったら、このままっていうのもできないと思う。あたしたちの最後の依頼は、あたしたちのこれからの関係のことだよ。
ゆきのんの今抱えている自分がないという問題、あたし答えわかってるの。たぶんそれが、あたしたちの答えだと思う。それで、あたしが勝ったら今もこれからも全部もらう。

「今」と「これから」を対比として考え、「今 = 奉仕部」「これから = 恋人」という文章で補足を試みた。

コメントをいただいて気づいたこと

 コメントを見ていくと、それぞれ考えている前提が異なるような気がした。そのため、重要なポイントの洗い出しが必要であるように感じた。僕がコメントを見ていて気になったのは以下のことについてである。

  • 八幡が雪乃を好きかどうか
  • 雪乃は八幡を好きかどうか
  • クッキーを渡した意味
  • それぞれの考える雪乃が抱えている問題
  • お互いの思っていることとは、誰と誰が思っていることなのか
  • 結衣は八幡への恋と奉仕部のどちらを優先しているか

 これについての重要なヒントがこのインタビューにあった。animeanime.jp
animeanime.jp

インタビューから考えられること

 前編のインタビューから一部引用する。

東山 
結衣は、八幡と雪乃を見ていて、このままだと自分は去らないといけないのは目に見えていました。でも本当は自分が八幡と二人でいたい。それは叶わないとしても、せめて三人の関係は続けていきたい。
結衣の中には「私を置いていかないで」って泣き叫びたいくらいの気持ちはきっとあったと思うんですよ。それを自分なりに整理して、最終話で穏やかな言葉として発している。でもそこで雪乃と八幡の通じ合うようなやりとりを目の当たりにするんです。分かってはいたんだけど、やっぱり辛いですよね。

早見 
渡先生と奈央ちゃんが話している時に、「結衣はここでは自分のために言葉を言ってる」と先生がおっしゃっていて、ハッとしました。正しいと思ってない、でも言う。ズルいって分かってる、でも言う。ここに来て結衣も変わっているんだって。

結衣から見て、「八幡と雪乃は通じあっていて自分が入る余地はない。だからせめてこの三人でいる関係を続けていきたい」と考えていたようだ。また、渡先生の「結衣はここでは自分のために言葉を言ってる」という言葉から、やはり結衣がとった行動は三人でいるため行動だったと見て間違いない。

 後編のインタビューからも一部引用する。

東山 
12話のエンディング曲にもなった『エブリデイワールド-Ballade Arrange-Yui Solo Ver.』も重要なんですよ。“真実よりやさしい嘘をプリーズ”というフレーズで、静かなサビになるんですが、ヒッキーは「“本物”をほしい」って言ってるのに、結衣は“嘘をプリーズ”って言っちゃうんだ?って。ただこの先にきっと何かがあるんだろうとは思っていました。
最終回で「ゆきのん、それでいい?」と突きつけた結衣こそが「やさしい嘘」だと気づいて。この歌詞は聞かせたいところだったんだなって。

結衣が欲しかったのはやさしい嘘である。自分が排除された本物より、自分の居場所がある嘘が欲しかったという意味だと思う。

インタビューを踏まえて

 重要だと感じたのは、あくまでも結衣の視点で語られたことであって、八幡がどう考えていたかはわからないということである。たしかに結衣は三人という関係を大事にしていきたし、雪乃と八幡が両思いであることに気づいていたのかもしれない。しかし、八幡は雪乃の思いに気づいていたのか、八幡は本当に雪乃が好きなのか。その辺りに関してはブラックボックスになっているのではないだろうか。だからこそ、結衣が提示したものを理解して八幡が否定したかはわからず、結衣が流した涙の意味も変わってくるのではないだろうか。
 以上を踏まえて、先ほど洗い出したポイントについて検討する。

八幡が雪乃を好きかどうか

 少なくとも結衣はそう考えている。今まで互いを意識する描写は何度も見せているが、八幡が雪乃を好きだと具体的に見えた描写はない。あげるとするならば保健室のやりとりだろう。したがって、結衣はそう考えているが、実際にどうかはわからない、というのが今出せる答えだと思う。

雪乃は八幡を好きかどうか

 陽乃いわく、信頼などではないもっとおぞましいなにか。雪乃が八幡に対して持っている感情がそうであると言っている。しかし、バレンタインのチョコを渡そうとしている素振りから、雪乃は八幡に対して恋心を抱いていると思う。

クッキーを渡した意味

 結衣が渡したクッキーの意味。コメントでは牽制という意味合いが強いように思えた。私が友達としてクッキーを渡すのだから、雪乃も友達としてこの関係を続けてという意味である。インタビューを踏まえると、やさしい嘘がここに該当するのではないかと思う。

それぞれの考える雪乃が抱えている問題

 これについては結衣と八幡の考えをあげる。

  • 結衣:八幡に対して行動できない問題
  • 八幡:雪乃が自分を持たない問題

互いの思っている問題がすれ違っているのではないだろうか。

お互いの思っていることとは、誰と誰が思っていることなのか

 結衣と雪乃のことではなく、八幡と雪乃を指していると考えられる。

結衣は八幡への恋と奉仕部のどちらを優先しているか

 奉仕部を優先している。というより、自分の居場所を作るのを優先している。

セリフの意味と流れ

 まず最初の前提として、結衣は八幡と雪乃が両思いであるが、互いの気持ちには気づいていないと考えている。だからこそ自分が入る隙間がなく、自分の居場所がなくなってしまうと考えているのではないだろうか。したがって、自分のポジションを守るために結衣はクッキーを友達として渡し、雪乃もあくまでも友達としてクッキーを渡すようにはらきかけている。手が震えているのは、自分の八幡への想いとの決別であるからだ。これを気に八幡との恋を諦めようとしている。
 ここで再び結衣のセリフの補完を試みる。

あたしは全部欲しい。今も、これからも、ずっとこの3人の関係がほしい。あたし、ずるいんだ。強引に自分の居場所を守ろうとする卑怯な子なんだ。あたしはもう、奉仕部としていようってちゃんと決めてる。もし八幡と雪乃がお互いの思ってることがわかっちゃったら、このままっていうのもできないと思う。あたしたちの最後の依頼は、あたしたちのことだよ。
ゆきのんの今抱えている八幡に対して行動できない問題、あたし答えわかってるの。たぶんそれが、あたしたちの答えだと思う。それで、あたしが勝ったら全部(三人でいる関係をずっと)もらう。

 それに対して、雪乃は自分の思いも結衣の言葉の意味も何もよくわかっていない。よくわかってはいないけれど、自分を結衣に委ねようとしている。また、八幡は人からの押し付けが本物の関係を作るとは思っていない。だから雪乃の代わりに結衣の言葉を否定した。結衣の提案の内容を否定したのではなく、結衣の提案の形を否定した。だから、結衣が雪乃と八幡をくっつけようとしたことには気づいていない。結衣がそうすると思ったというのは、曖昧な形の提案について言っているのではなく、雪乃のために否定した雪乃への好意を見ているのではないかと感じた。だからこそ、結衣が流した涙は雪乃への想いを裏付ける確信になったのではないかと思う。
 雪乃が八幡の依頼が残っているといった際の結衣の表情。恋人という形ではない別の形で、一緒に八幡の本物を見つけていきたいという想いが込められているようにみえる。また、雪乃の依頼を受ける際の結衣の表情は、どこか悲しそうでどこか嬉しそうな複雑な表情に見える。これで自分たちの関係が続くのか終わってしまうのか、それが決まるからではないかと思う。
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自分で書いておきながら出てきた疑問

 結衣が3人の関係を維持するために尽力したとして、雪乃が抱えている問題とは八幡に対して行動できないことだったのだろうか?
 これが解決するということは雪乃が自分から行動して、八幡との関係を築こうと行動することができることになる。それでは3人でいようとすることはできない。だからこそ、欺瞞となる関係を雪乃に押し付けて行動させないようにしようとしたのだろうか。雪乃も同様に結衣との関係を失いたくないと考えているであろうから、八幡に対して行動することはできない。そこを理解した行動なのだろうか。
 ふと思ったのだが、結衣は八幡と雪乃の関係を応援しようとしているのではないか? 二人が幸せになった先に自分の居場所を作ろうとしている。クッキーを渡したのは、雪乃のお手本であり雪乃がクッキーを渡せるようにしたかったのではないだろうか。今のお互いの考えを読み合っている状態では3人でいる関係を作るのは難しいため、自分の考えを伝えることで2+1人の関係を築こうとしているのではないか。それならば結衣が提示した問題に対する答えとその後の状況が合っているように感じた。さっと思いついたことなので合っているとは思っていません…。

まとめ

 あらためて考えなおしましたが、今度はコメントの方の奉仕部を存続させる方について引っ張られてしまいました。インタビューによって仮説であったところが、もう一歩進んだことが今回良かったことでしょうか。あと結衣はどこを目指しているのでしょう。恋人になることを諦め、3人でいることを望んでいる。でも、八幡は雪乃の事が好きなんですかね? そうなると結衣と一緒に二人でランドに行く約束をするとは思えないんですよね…。結衣が思っているほど悲観する状況でもないような気がします。お互いがそのように思っているからこそ、このようなどっちつかずな状況が生まれているのでしょう。今後の展開が気になります。
 あと俺ガイルのBDは買っているので特典小説も読んでいきますが、それについてはこちらでは扱うことはないかなと思います。13話の考察が前回の記事の補足として少しでも参考になればと思います。

 以上です。それではまた別の記事でお会いしましょう。