俺ガイル2期12話の感想と考察と陽乃の目的|やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続
はじめに
こんにちは。
今週の俺ガイル12話はまだ発売されていない11巻の内容みたいですね。僕もやっと10巻まで読み終えました。まだ7.5巻と10.5巻は読めていませんが。相変わらず内容まとめと感想・考察は分けています。こちらは感想・考察の記事になります。
まとめの記事はこちらです。www.palepalette-blog.com
感想・考察
陽乃の雪乃へ対する気持ち
今回の陽乃の不審な行動を分析するために、ひとつ検討しなければならない事がある。それは陽乃は雪乃のことが好きなのか、嫌いなのかについてである。葉山によると、
あの人は興味が無いものにはちょっかい出したりしないよ。なにもしないんだ。好きなものをかまいすぎて殺すか、嫌いなものを徹底的につぶすことしかしない。
つまり雪乃に対してアクションをとっているということは、どちらかに分類される。陽乃の動き方は雪乃に負荷をかけるように動いているようにみえる。したがって、陽乃は雪乃のことが好きだからこそ、負荷をかけて逃げないように前を向くよう仕向けているのではないかと思う。潰すのであれば比企谷だけでなく結衣も重要な要素になってくる。ほとんど接触していないことに違和感が残ってしまう。
したがって、本考察においては陽乃は雪乃のことが好きだからこそ冷たい態度をとっていると仮定する。ナルトにおけるイタチとサスケのイメージである。
陽乃の答え合わせの意味
11話において、
陽:雪乃ちゃんは何学部志望とかって聞いてるー?
八:いや、聞いてないですね。
陽:ま、あの子は自分からは言わないか。比企谷君、ちゃんと聞いておいてよねー。今度答え合わせね。
八:それは答え合わせとは言わないんじゃないですかね。
というやりとりがあった。しかし、陽乃が知りたかったのは志望先ではなく、八幡が答えを持っているかどうかだったようだ。八幡が答えを持っていれば雪乃の本性を伝えるために。
また、雪乃の考え方について、
あれは信頼とかじゃないの。もっとひどいなにか。何も変わってない。それでいいと思っているのよね、あの子は。そこがまあ可愛いところでもあるんだけど、そこがすごく気に入らない。
と語っている。結局陽乃は雪乃の考え方が嫌いなのだ。雪乃の自分を助けてくれた人を目指し、その人に依存していくような。だからこそ陽乃は雪乃の周りをかき乱す。そうすることで雪乃の環境を変え、雪乃を変えようとしている。
陽乃は雪乃の性格が将来的に問題になることを見越し、八幡にアクションをとることで結果を変えようとしている。具体的な問題は、八幡が依存されていることを促し、その改善を狙っている。葉山を含め、数々の結果を残した八幡に期待しているのだ。
陽乃が考える雪乃が八幡に対して持っている感情
八:信頼じゃないなら、何なんですかね。
陽:さあー? ただ少なくとも、それを本物とは呼ばない。君の言葉だったね。本物なんて、あるのかな。
八幡は折本とのデートの際に陽乃に本物について話している。
ただ一方的に願望を押し付けてたというか、勘違いしてただけで、それを本物とは呼ばない。
つまり雪乃と八幡の関係は八幡の考える本物ではなく、願望の押し付け合い、もしくは勘違いであると陽乃は考えているのだろう。どちらかと言うと雪乃から願望を押し付けられていることを指しているのだと思われる。
もしくは、陽乃は八幡の考える本物はこの世には無いと考えている。陽乃はカリスマ性を持ち、常に人の中心に立ってきた。それはつまり人から願望を一方的に押し付けられる立場であったといえる。そのような立場にいたからこそ、本物と呼べる関係など無いと考えているのではないだろうか。
また、陽乃は今まで自分で本物と呼んでいる関係になったことが無いと考えられる。それはこれまでの雪ノ下陽乃という人物からも分かる通り、相手の考えを読み、自分の考えを押し通すことができる人間であるため、相手から実直な意見をもらえるとは思えない。そのため、彼女は本物を見たことがないのではないだろうか。だからこそ彼女たちから本物が見られるのではないかと期待しているのではないか。本物の、互いの願望を押し付けあうことなく、互いの理想に向かって進んでいく。そういう関係を。
結衣と八幡の思う現在
優美子や隼人を見て、
なんかさ、いいよね。ああいうの。今を大事にしてるっていうか、今が一番いいっていうか。
と感じている。これは八幡にとって今は大事? という確認だ。そのため適当な回答に腹を立てていた。結衣にとっては今は大事であり、それを八幡の口から聞きたかったのだろう。
また、結衣が八幡の誘いを保留にしたのは、雪乃が抱いている八幡への想いを知っているからだ。つまり結衣は雪乃の気持ちは八幡への好意であると感じているのだ。この考え方は大きく陽乃とは異なる。
八幡が結衣に時間をとってもらいたかった理由は、雪乃についての相談であると考えられる。八幡が照れなく結衣を誘っていることから真面目な内容であることが分かる。さらに前半の描写を踏まえ、結衣には自分の考えを伝えておきたかったのではないかと思う。雪乃の未来はそのまま奉仕部の未来と直結する。だからこその相談だったのではないかと思う。
いろはの知らない八幡の情報
結衣と雪乃は過去に八幡とクッキーの話題を共有している。だからこそ、八幡の好みを知り自信いっぱいに伝えている。自分たちが積み重ねてきた時間であり、積み重ねてきた時間が短いいろはだからこそ知らないことである。
結衣から八幡へのチョコレート
いろはが八幡のことをチョコがもらえないと馬鹿にした際、結衣は、
ヒッキー、ちゃんともらえるもん…ね?
と返している。これは、結衣がチョコレートをプレゼントするつもりであり、もらえないことはないということを暗に伝えている。雪乃と八幡はそのことにづいている様子。八幡が小町の名前を出して逃げたのは、いろはにそれを勘づかせないためであろう。
いろはの誕生日を覚えていた八幡
前回さらっと出てきたいろはの誕生日を律儀に覚えていた八幡に、驚きつつ喜びを見せるいろは。人の誕生日を覚えているというのは、結構重要な信頼形成ポイントである。
いろはと優美子はライバル、沙希と優美子は敵
葉山を思うふたりはただのライバルだが、気の合わないふたりはただの仲の悪い敵同士。それにしても沙希のリアクションがいちいち可愛い。里芋の煮っころがしはおいしい。
いろはの中の結衣のイメージ
結衣の葉山に対する発言に対して、いろはは結衣らしい考え方だと言う。つまりいろはの中では、人の気持ちを思いやり行動するという印象なのだ。しかし、~らしいというのは他人のイメージの押し付けだ。私はあなたをこういうような人だと思っています、という宣言である。だからこそ結衣はそのキャラクターを演じ、また同じく葉山もキャラクターを演じているのだろう。結衣はそれを自覚しているため、自分らしさとは一体なんだろうかと自問しているのだ。たぶん答えは出ていないのだろう。
先導する会長たち
今までの不毛な会議とは異なり、自分がリーダーとして率先して決定を下さいている姿が印象的であった。玉縄といろはの成長を感じた。
雪乃のいろはへの実力に対する嫉妬
成長したいろはは、目的に対する戦略の立案が出来る人材になっていた。そのため費用の捻出にも気が回っている。つまりいろはは「目的→計画→結果」をすべてこなせている。それに対して雪乃は「計画→結果」の達成しかできない。雪乃ができるのはあくまでも立てられた計画をうまく遂行することだけだ。目的を見つけ、それを計画に結びつけることができない。だから雪乃は自分にない力を持ついろはに嫉妬している。
京ちゃんはうなぎが食べたい
あー沙希の妹の京ちゃんがほんとうに可愛い。
うなぎ!
葉山の伝えたいこと
葉山は八幡の元へ行き、
よく考えたな。これならみんな、自然に振る舞える。
と言っている。葉山が言う自然に振る舞えるとはどういう意味だろうか。これはこの企画がなかった場合と比較しているのだろう。この企画がなければ、自分の情報を相手に与えず、相手の情報を得ようとするギクシャクした関係になる。しかしこの企画では、お菓子作りが得意な人から指導を受けることができ、なおかつ相手に自然にチョコを食べてもらうことができる。つまりバレンタインデーという特別な状況を意識しつつも、互いが気持ちが開けた環境でチョコレートを作り、食べてもらえるということが言いたいのではないかと思う。
八幡と折本
折本が八幡にチョコレートをあげると宣言した際に、雪乃、結衣、いろは、沙希、玉縄が反応している。八幡に対して好意を持っている人と折本に好意を持っている人が反応しており、人間関係が垣間見えた。
過去を晒す葉山と陽乃の目的
過去に雪乃が隼人にチョコレートをあげたという話を全員の目の前であえてしている。雪乃と葉山が気になっている人を引きずり出すことだと思われる。
その話に優美子といろはが反応しており、やはり過去も気になる様子。八幡も反応しそうになっているが、陽乃の策略であると考えて反応していないようにしている。もしくは雪乃を気にしていることがバレないようにそっぽを向いている。八幡の反応を雪乃も結衣も気にしていることが分かる。
これらの反応があまり芳しくなったためか、陽乃は直接雪乃に話しかけに行く。その際の葉山の表情は少し呆れたような、寂しそうな表情だ。葉山が話に乗ったのは陽乃に嫌われないようにするためであり、そんなことをしても自分をかまってくれるわけではないことを知っている。だからこそ寂しそうな表情をしているのではないだろうか。したがって、葉山が好きなイニシャルYは陽乃であり、そのために力を尽くしているのだと思う。
ボールを落とした後の雪乃、それをフォローする結衣の表情
雪乃がボールを落とした際に顔を赤らめているのは、単純にボールを落としたことで全員の注目を集めてしまったからだ。その後に八幡がボールを拾おうとした際の動揺は、八幡を意識してのものだ。だからこそ、結衣はフォローした後に悲しい顔をしており、それを見た陽乃は冷たい表情をしている。
つまり八幡と雪乃が両思いの関係に見えたからこそ、陽乃は冷め切っているのではないかと思う。八幡は本物を探すといい、このふたりとの仲を深めてきた。しかし実際には、ただ互いの願望を押し付けているだけだ。恋愛関係では本物にはなれないと考えているのではないか。
静が感じた八幡たちの成長
これまでも静は八幡たちを巻き込み奉仕部に活動をさせてきた。しかし今回のバレンタインデー企画は静がもってきたものではない。その上しっかりと成功を収めている。今まで受動的に動いていた部であったが、今までとは異なり能動的に動いた結果であると静は見ているのではないだろうか。また、進んだ分だけ裏切られたように感じるのは、進んだ気になって進んでいなかった人間関係なのであろう。だからこそ、一歩進んだ人間関係を今まで進んでくることのなかった八幡と見ることができて満足しているのだろう。
陽乃が八幡に求めるもの
陽乃が八幡に求めるものは、雪乃と八幡が本物の関係になることだ。ここに結衣は含まれていない。それは結衣を一度も見なかったことからも分かる。陽乃からすると結衣は眼中にもない存在なのだ。
八幡は陽乃の指す本物に気づいている。
ただ、慣れていないから。経験したことがないから。だから、ただの違和感なのかと思っていた。次第に慣れて、受け入れるのだと思っていた。それでも、その違和感を見逃してはくれなかった。
今まで考えないようにしていたことを、雪ノ下陽乃は突きつけるのだ。それは信頼などではない。もっとひどい、おぞましい何かだと。
この言葉に少し補足を入れる。
ただ、友達という関係に慣れていないから。今まで経験したことがないから。だから、ただの違和感なのかと思っていた。次第にこの違和感にも慣れて、この違和感を受け入れるのだと思っていた。それでも、その違和感を雪ノ下陽乃は見逃してはくれなかった。
今まで違和感の理由を考えないようにしていたことを、雪ノ下陽乃は突きつけるのだ。それは信頼などではない。もっとひどい、おぞましい何かだと。
ここで言っている違和感とは、安定や変えたくないという言葉を指すと思われる。あの渡り廊下での発言以降、3人の関係は確かに進展した。しかし、そこで止まったままだ。安心しきっている。お互いが今の空間を守ろうとするためだけに活動し、それを受け入れようとしている。それはただの意味のない関係である。もっと互いの関係を深め、理解しあう事、立ち止まらない関係こそが本物であると考えているのではないだろうか。おぞましさとは、停滞であり閉塞だ。何も進まないし、何も得られない。原作の言葉を借りるならば、
いづれすべては失われる。これは真理だ。ただ、それでも。失われるからこそ美しいものもある。いつか終わるからこそ、意味がある。停滞も閉塞も、つまりは安息も、きっと看過して甘受していいものではない。必ず喪失することを意識すべきだ。
いつかは失われる関係であり、それに必死でしがみついているだけでは何も生み出さない。彼らの関係はそうではなく、停滞に甘んじないよう意思を伝え合うべきである。今この時間が重要であると感じているのならば。彼らにとって今の関係は貴重な大切なものである。だから進むべきなのだ。この八幡、雪乃、結衣の3人はこのままではいけない。
また、だからこそ陽乃にとって隼人はつまらないのではないだろうか。隼人は選択しないことで進まないことを選んでいる。これは陽乃の概念からすると異端である。だからこそ、隼人は興味を持たれていないのではないか。
母の進路の質問について
雪乃の進路の話とあるが、雪乃が文系を選択したことを指しているのだろうか。情報が少なく判断できない。
雪乃の母は、自分らしく自由に生きてほしいと訴える。だがしかし、自分らしさとはなりたくないものの集合体である。その概念を得るのは大人からであり、一度得てしまった概念はずっと残り続ける。雪乃は今も囚われている。
また、雪乃の母は聞く耳をもたない。全てが自分の中で完結し、答えも出ている。結衣が発言した場面では目を細めて聞く意志を示していないことがわかる。いつでも自分の発言が正しいのである。
最終話の予告
#13 春は、降り積もる雪の下にて結われ、芽吹き始める
欲しいものがある。でも頭がいいわけでもないし、ずるいから。自分の答えはひとつだけ。だけど、それはきっと望まれている答えじゃないんだと思う。欲しいものと望まれているものはとっても良く似ているのに、なんでこんなに違うんだろう。本当は、嘘でもいいのに。
結衣が欲しいものは八幡と仲良くなること。望まれているものは奉仕部として仲良くなること。だからこそ、結衣は何も動くことができない。結衣が行動することでみんなの目指す本物が動き始める。そんな話になりそう。
まとめ
12話の感想・考察をまとめましたが、陽乃がなにをしたいかというところがうまく掘り下げられなかったです…。もう少しいいアイディアが出たら追記しようと思います。それにしても本当に最終回なんですかね次で。どう終わるのか全く想像できない…。とても楽しみに待っています!次でこの俺ガイル考察も終わりなので寂しいですが、まあなにかやります。まだ何も決めてないですけど。
以上です。それではまた別の記事でお会いしましょう!!www.palepalette-blog.com
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11 (ガガガ文庫)
- 作者: 渡航,ぽんかん8
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/06/24
- メディア: 文庫
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