徒然もの書きぱん

適当にアニメとかについて書いてます。今期は何について書きましょうか。

俺ガイル2期13話の感想と考察と3人の依頼|やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続

はじめに

 こんにちは。

 これで俺ガイル2期は終わりですね。最終回です。最終話です。「えっ!? これで終わり!?」みたいな声が聞こえてきそうですが。内容の考察が好きな僕にとっては最高の引きでした。
 あと、今回はまとめを作っている時間がないので感想と考察だけ書きたいと思います。ちなみに11巻はまだ途中までしか読めていないのであとで読もうと思います。楽しみ!!

追記(2015/06/27)

 是非コメントで他の人がどう考えているかも見てもらえると嬉しいです。僕が考えたものよりも腑に落ちるものもありますし、見え方が違うこともわかります。自分はこう思うんだ! という他の人の考えも見るとおもしろいと思います。
 記事を上げると、「この人の考え方のほうが正しいなー」と思うこともありますので、そういう方の意見も大事にしてもらえるとすごく嬉しいです。

追記(2015/07/08)

 別途考察記事を書きました。皆さんから頂いたコメントを踏まえて結衣のセリフを考察しています。www.palepalette-blog.com

感想・考察

結衣が目指した本物の形

 結衣はきっと、この奉仕部で八幡と雪乃が友だちになることを望んでいるのだと思った。部室で自分にくれてたクッキーを八幡に渡した際にはとても嬉しそうな表情をしている。これは八幡を自分と同じ友達として扱っていることへの喜びであるように感じた。つまり、結衣が求めた本物とは、この奉仕部が友達という関係によって続くことにあるのではないかと思う。
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雪乃は特別なチョコを渡したい

 バレンタインデーに会う予定が無いため、雪乃はチョコを八幡に渡したい。しかし、八幡に自分で行動することはできていない。それに加えて、渡そうにも結衣を気にして渡すことができない。チョコレートを見た結衣が去ろうとすると不安な表情で結衣を見つめる。陽乃が言いたかったおぞましさがここに現れている気がする。
 また、部室では八幡を友達として扱っている雪乃に安堵した結衣だが、結衣とは違う特別なチョコレートを用意していたことから、結衣は実際には好きな相手として八幡を見ていたことに気づく。これが後半で結衣がお互いに思っていることが分かると言った根拠だと思う。つまり結衣も同じように八幡が好きなのである。当たり前のことかもしれないが、初めて具体的にセリフとして描写された。
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陽乃が言う雪乃の中にある自分

雪乃ちゃんに自分なんてあるの? 今まであたしがどうするかを見て決めてきたのに。自分の考えなんて話せるの? 雪乃ちゃんはいっつも自由にさせられてきたもんね。でも自分で決めてきたわけじゃない。今だってどう振る舞っていいかわかってないんでしょ? 雪乃ちゃんは、一体どうしたいの?

 雪乃は幼少期から陽乃の背中を見て比較されて育った。陽乃が出す答えはいつも間違っていないため、その答えをいつも後追いしてきたのだろう。だから母から自由にしていいと言われても、失敗を恐れて陽乃の真似をする。それを今でも続けてきており、その考えを陽乃は嫌っている。それが陽乃が雪乃に対して自分なんてあるの? と問いかけた理由だろう。
 この時の陽乃の心情は非難であると同時に諦めに近いものを感じる。雪乃を救ってくれると思っていた八幡も、自分と同じ道をたどってしまったからだろう。
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陽乃が比企谷にやさしいとった意味

 雪乃は自分の言葉を持たない。八幡が小町から目的を得たのと同じように、雪乃は自分の行動を相手の行動によって決まってしまう。
 結衣が泊めてあげると言わなければ雪乃は泊まりたいとは言わなかったし、八幡が泊まる言い訳を与えなかったら雪乃は陽乃を説得する言葉を持たなかった。そのような言葉を与えた八幡にやさしいと皮肉を言ったのだと思う。こんな関係は優しさではないし、その場しのぎのためのただの冷たさだ。
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結衣がしたかったこと

 3人のデートでやりたかったことは、自分が行動する前に3人でいる大切な時間を確認しておきたかったのだと思う。
 また、雪乃と結衣のふたりが互いを意識し、八幡と一緒の時間を作らせようとしている。結衣は雪乃と八幡を、雪乃は結衣と八幡を意図的にふたりにさせようとしている。
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雪乃が考える自分

寄る辺ながければ、自分の居場所も見つけられない。隠れて流されて、何かについて行って、見えない壁にぶつかるの。

 陽乃が言っていた居場所はひとつ。これは作ってもらった奉仕部を指すのであろう。学校でもいつも奉仕部の部室にいる。これは奉仕部が好きなのではなく、奉仕部にしか居場所がないからということか。
 他人に隠れて、他人の考えに流されて、自分で何も考えることができない。何も考えられないから壁も見えてない。見えない壁にぶつかり続けている。
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花火みたい

 事故の一件もあり、花火は八幡と結衣のふたりでしか見ることができなかった。しかし今3人で花火を見ることができている。花火を見るという特別な時間を共有できている。結衣が嬉しそうにしている理由はそこにあるのだと思う。
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今の関係は停滞

不安定さを偽りながら、ゆっくりと回り続ける。前に進むことはなく、ただ同じ所をいつまでも。それでも、やがて。

 今の関係は進んでおらず、同じ場所にとどまり続けている。しかし、それもいつか動き出す。八幡はそれを自覚している。

結衣が目指すこれからの奉仕部が進むべき未来

これからどうするのか

これからどうしよっか。
ゆきのんのこと。それと、あたしのこと。あたしたちのこと。

 今まで主体的な発言をしてこなかった結衣による、結衣が中心となった発言。
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過去の結衣と今の結衣

あの時のお礼。

 結衣の手が震えているのは、このクッキーをバレンタインデーという日に渡すことでこの関係を踏み出さないといけないからである。
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あたしの相談、覚えてる?

 結衣の依頼の最初の依頼は「手作りクッキーを食べてほしい人がいるが、自信がないから手伝ってほしい」であった。その依頼は破棄され「今度は自分のやり方でやってみる。」と答えていた。
 結衣は前日部室で、クッキーを頑張ってつくったがうまくいかなかったと話している。翌日雪乃が家に帰った後、一生懸命作った結果なのだと思う。雪乃が感動しているのは、自分ができなかったことをうまくやれるようになった結果だ。自分はうまくいかない。それを比較しているのではないか。
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あたしが自分でやってみるって言って、自分のやり方でやってみるって言って。それがこれなの。だから、ただのお礼。

 雪乃がかばんを抑えているのは自分もチョコレートを持ってきているためだ。渡したいけど八幡に渡している人がいないから渡せなかった。結衣がクッキーを渡すことで、雪乃は初めてチョコレートを渡すことができる。
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結衣の宣言

あたしは全部欲しい。今も、これからも。あたし、ずるいんだ。卑怯な子なんだ。あたしはもう、ちゃんと決めてる。もしお互いの思ってることがわかっちゃったら、このままっていうのもできないと思う。あたしたちの最後の依頼は、あたしたちのことだよ。
ゆきのんの今抱えている問題、あたし答えわかってるの。たぶんそれが、あたしたちの答えだと思う。それで、あたしが勝ったら全部もらう。

 この文章を自分なりに具体化してみる。

あたしは全部欲しい。今の友人関係としての奉仕部も、これからの恋人関係になった八幡も。あたし、ずるいんだ。どっちも諦められない卑怯な子なんだ。あたしはもう、これからどうするかちゃんと決めてる。もしお互いの思ってること(八幡を好きという気持ち)がわかっちゃったら、このままっていうのもできないと思う。あたしたちの最後の依頼は、あたしたちのこれからの関係のことだよ。
ゆきのんの今抱えている自分がないという問題、あたし答えわかってるの。たぶんそれが、あたしたちの答えだと思う。それで、あたしが勝ったら今もこれからも全部もらう。

 雪乃が抱えている問題は自分を持っていないことである。それを解決するためには、自発的行動する必要がある。自分が自分でやりたいことを口にし、そのために行動して結果を得る必要がある。では、雪乃がやりたいこととはなんだろうか。
それはまだわからないが、陽乃についてもしくは母についてだろう。八幡との関係という可能性もあるが、おそらく家族間か葉山とのことであろう。
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ずるいかもしれないけど、それしか思いつかないんだ。ずっとこのままでいたいなって思うの。どうかな?

 雪乃の悩みを解決できると宣言したことがずるいのではないか。雪乃に自分の意志はない。ただ流されるままにその答えを享受してしまうことがわかっている。それを知っているからこそ、結衣の発言はずるいのである。
 あとここで、結衣は雪乃の意思を試している。雪乃が自分からこの結衣の発言を拒否するかどうかを見ているのだろう。ここで拒否ができるのであれば、雪乃は自分の足で進むことができる。
 加えて、このままでいたいというのはどういうことだろうか。八幡と恋人にならずこのまま3人でいようということか。このまま結衣と雪乃は友達であり続けたいということだろうか。これはたぶん、結衣と雪乃の関係は友達であり続けながらも、結衣が八幡と恋人となる関係を指しているのではないかと思う。
あくまでも想像だが…。

ゆきのん、それでいい?

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雪乃の答え

私は、それでもかまわな…

 結衣の質問に対し、雪乃は自分の答えを出すことができなかった。だから受け入れるという選択肢しかなかった。雪乃が結衣の言葉の意味を理解したかはわからない。わからないこそ受け入れるしかなかったのかもしれない。
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八幡の心情から

結衣の発言に具体性がなかった理由

(なにひとつ、具体的なことは言わなかった。口に出してしまえば、確定してしまうから。それを避けてきたのだ。)

 雪乃は他人が言ったことを自分の形にしてきた。そのため具体的に伝えるということは、雪乃がその形に当てはまってしまうことを指す。雪乃の問題は自分がないこと。それを解決できないからこそ、具体的なことを何も言わなかったのではないか。具体的な内容を口にするということは、雪乃に解という名の逃げ道を与えてしまう。

結衣が見ていたもの

(由比ヶ浜は、たぶん間違えない。彼女だけはずっと、正しい答えを見ていた気がする。それを受け入れてしまえばきっと楽だろう。けれど、)

結衣が見てきたものとは、雪ノ下雪乃という女の子だろう。彼女がどういう子でどういう考えをしているのか。それをずっと一番近くで見てきた。だからこそ、結衣は雪乃がどう行動すれば雪乃が抱えている問題を解決できるかがわかっている。可能性としてはふたつ。

  1. 選ばないことによる後悔を与える
  2. 選ぶことによる自信を与える

このどちらかであろうとは思う。
 また、「けれど」の意味は、結衣の言葉を飲むということは、結衣をずるいと認めてしまうということになる。自分ためでもあるが、雪乃のために行動している彼女をずるいと認めることは、人として正しいことではない。そのため八幡は結衣の答えを否定したい。否定することによって、彼女がずるくないということを伝えたいのだ。

結衣の問いに対して

(ああ、これは違う。間違っている。雪ノ下が自分の未来を誰かに委ねるだなんて、そんなことあっていいはずがない。)

 自分の未来を誰かに委ねるという行為は今までと同じである。結衣の提案の受け入れることは何の前進にもならない。だから受け入れていいはずがない。

結衣の提案の否定

いや、その提案にはのれない。雪ノ下の問題は、雪ノ下自身が解決すべきだ。

 雪乃には何もないことを示していると同時に、結衣はずるくないということを伝えるための発言であった。
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八幡の出した答え

(由比ヶ浜結衣は優しい女の子だ。そう勝手に決めつけていた。雪ノ下雪乃は、強い女の子だ。そうやって理想を押し付けていた。)

 結衣はまわりのことを気にかけることができる優しい女の子で自分という軸がない。雪乃はひとりでいることを好む女の子で自分という軸がある。最初はそう思っていた。しかし実際にはそうではなかった。ただの理想の押し付けだった。作品を読み返すと分かる何かがあるかもしれない。
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それに、そんなのただの、欺瞞だろ。曖昧な関係とか慣れ合いの関係とか、そういうのはいらない。

 それが八幡の求めた関係である。生徒会の一件で作りなおした、慣れ合いを排除した関係。しかし現状それは失われている。その関係を捨てて進もうという意思表示である。
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(馬鹿なやつだと思う。そんなのないって知っているのに。突き詰めてしまったら、何も手にはいらないとわかっているのに。)

 本音を追求した先にあるのはひとりであることだけだ。それでは何も手にはいらないことを知っている。曖昧な関係とか慣れ合いの関係でしか得られないものがある。

それでもちゃんと考えて、苦しんで、足掻いて、俺は。

 本物が欲しいといった。八幡が求める本物は相手を理解することだ。欺瞞を取り除いた人間関係からしか得られないものである。それを得るために尽力してきたのだ。

八幡が否定することを知っていた結衣

ヒッキーなら、そう言うと思った。

 八幡は優しい。結衣をずるいと言わせないために、雪乃が自分で答えをだすために。そのために結衣の提案を蹴った。結衣の提案では本物は見つからない。それを結衣自身も知っていたからこそ提案し、わざと否定されたのだ。
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自信を取り戻した雪乃

あたしの気持ちを勝手に決めないで。それに最後じゃないわ。比企谷君、あなたの依頼が残ってる。

 八幡の否定により行動指針を得た雪乃は、自分の気持ちを述べる。たとえこの気持ちが八幡から譲り受けたものだとしても、八幡を思うこの気持ちは本物であると思う。
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八幡の指針

(間違っていてもいい。そのたびに、問いなおして、問い続けるんだ。)

 人間は誰でも間違う。その間違いのたびに答えを見なおして、答えを出し続ければいい。雪乃は自分で答えをだすことができない。これは前述したとおり陽乃と比較されることが怖いからだ。それでも雪乃自身が答えを出し続けていくことが、雪乃が自分を得るために必要であると考えているのではないか。
 この言葉は雪乃だけではなく、八幡にも結衣にも向けられていると思う。間違ったら終わりではなく、そこからが始まりなのだと。コメントにもあったが、タイトルの「続」の意味はここにあったのだ。
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雪乃からの依頼

雪:あともう一つ。私の依頼、聞いてもらえるかしら。
結:うん。聞かせて。

 ここで初めて雪乃が依頼をする。奉仕部全員が自分の悩みをさらけ出し、本物に一歩近付いた瞬間である。
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依頼について

 結衣の依頼はすでに達成され、雪乃の依頼が始まる。この依頼を達成してから、八幡の依頼が終わる。彼らの依頼の終幕が、この物語の終わりなのであろう。それまでゆっくりと待ちたい。

まとめ

 考察を書いていて思いましたが、ここで終わりかよ!! 販売戦略的には最高ですね…。これだけ大胆に切っているので、何かしら続きのメディアミックスはあるのだと思います。待ちましょう。待つしかできないので。
 それとこの俺ガイル考察も今回で終わりになります。11巻の内容もやろうかと思ったのですが、いかんせん時間がとられてしまうので…。合ってたり間違ってたりしたこの考察ですが、みなさんの反応があったからこそ続けられました。本当にありがとうございました。
 来期のアニメも2作ぐらいは記事を書こうと思っているのでよかったら見に来てください。本当にありがとうございました。

 以上です。また別の記事でお会いしましょう。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11 (ガガガ文庫)

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