アニメ『赤髪の白雪姫』 13話(2クール:1話)の感想と主役のオビ
こんにちは。
楽しみにしていた赤髪の白雪姫の2クール目が始まったので、他の冬クールアニメとは一線を画す意味も込めて記事にします(そんな意味は無い)。
感想
『赤髪の白雪姫』に関しては、以前のツイキャス(こちらを参照:赤髪の白雪姫についてwithぱんさん その1 - TwitCasting)以来ですね。各話感想は4話、あとはまとめを書いたぐらいですね。感想を喜んでくださった方がいらっしゃったので、2期は頑張って続けたいです。
今回の主役はオビ
今回の主役は圧倒的にオビ。残念ながら、ゼンは白雪と手を繋ぐところとイザナに懇願するところぐらいしか見せ場がなかった。それに対してオビへのスポットの当たり方が強かった。その辺りについて述べる。
リュウとオビはもう友達
リュウは周りと比べてかなり優秀な能力がある。そのため、今まで自分を叱ってくれる人、諭してくれる人とあまり出会えていない。そのような人たちは導いてくれる人であり、信頼して相談できる人である。作中の雰囲気から、薬室長とゼンのみであったように感じる。そこに白雪が加わり、さらにオビが加わった。
オビはリュウにとって気さくに接してくれるような兄であり、自分にはないものを持った存在である。リュウにとっては白雪とオビは自分の壁を意図せずに壊してくれる。性別の異なる、とても似た存在だったのかもしれない。
今回の場合は、木登りという形でリュウの背中を押している。木登りが初めてのリュウにとって、木の上に引っかかった紙を取るのはもちろん難しい。だから、「がんばれ」とか「負けるな」とか、そういう声をかけるのではなく、「木登りは後回しね」という兄として恥をかかせない言葉を選んだのだと思った。次というものを匂わせた言葉をかけることで、挑戦を意識させたのではないかと思う。
種を取ろうとして頭をぶつけるリュウを見たオビは、笑い声をあげるでなく微笑ましく見守っている。これもオビの優しさが感じられる1シーンだ。
あと、リュウを肩車したままのオビを見て、もしも白雪が男性だったら同じようなことをやりそうだな、とふと感じた…(←どうでもいい
白雪に種を渡すことの出来ない
白雪はオビをゼンたちと同じくらい信じていて、自分の仲間だと感じている。白雪にとってはもう無くてはならないひとりである。
そんな白雪に対して、オビは種を渡すことができない。オビは自分で来年いるかわからないと考えているから、もし白雪にあの青い種を渡して、来年その花を見た時に自分がいなかったらどう感じるだろう。白雪はあの花を見て自分を思い出してしまう。影のような生き方をしてきたオビは、そういうことを自然と避けるようになっているのかもしれない。
それか実はとてもポジティブなわがままなのかもしれない。自分が白雪を笑わせて幸せにするのではなく、自分以外のゼンやリュウから幸せをもらって、その幸せを白雪から自分に分けてもらいたいと感じているのかもしれない。オビにとっても白雪の笑顔はどこか特別で、大切にしたいものだから。
オビはどこか自分を信じられない
オビは自分がどこかにいくという、経験から得たような確信が胸にある。彼にどんな過去があったのかなどはわからないが、彼が同じ場所にとどまってこなかったことはこれまでに明かされている。それに加えて、彼はゼンと契りを交わしている。二人で酒を酌み交わし、本当の主と従者になった。
それなのにだ。オビは自分でどこかいなくなるような気がしている。今までに一度も長くいた場所がなかったことが理由ではあると思う。しかしそれはゼンを信頼していないからなのか?そんなことは絶対にない。今回、已早を見たゼンの反応から、オビは明確に敵意を抱いている。それはゼンを信頼しているからできることであり、疑っていてできることではない。
つまりオビは自分を信じられていない。自分の意志にどこか諦めがある。いつもどおり長くいることはない。"この場所にいたい"ということではなく、”この場所からもいつかいなくなる”という考えに陥っているのではないかと思う。そんな考えから抜け出るためにはまわりの手助けも必要だが、今回に限ってはイザナの存在を加味してもオビの決意が足りていない。オビの意志が欠けている。
ちょっと待って
情報の重要性を知っているオビは、優しく白雪を制止する。冷静になれないゼンと冷静に神経を研ぎ澄ましているオビ。二人の姿はとても対照的だが、両者ともに白雪への思いを感じさせる。
白雪に危険が迫っている場合、対処するのはオビの仕事というわけではない。しかし、白雪を守るという意識が根底にあるオビは、もう立派な騎士なのではないかと思う。
ちょっとしたところ
そんなに書くことはないけれど、気に止まったところをメモ程度に。
ゼンはやっぱり王子
ゼンとは別け隔てなく接するいつものメンツではなく、薬室で働く接点のない人間は恐れ多いという気持ちになる。そんな王子という階級を匂わせていた。
過去に出てきたキャラクターが絡んだ進行
ラジ、巳早とぽっと出のキャラクターかと思いきや、今後の展開にしっかり絡んでくる。ちょっとドッキリさせられる。
巳早との対面時の劇伴は新曲?
ちゃんと調べていませんが、聞いたことがない曲だったような気がする。シリアス時の引き締まった印象を与える良い一曲。
イザナは白雪がお気に入りかも
白雪がラジに言い放った言葉を、スラスラと述べるほどに印象に残っていると見える。イザナにとって白雪はすでに一目置く存在になっているのかもしれない。
白雪とゼンの関係はハルカ候が気にしたものにはならなかった
3話でハルカ候が、白雪はゼンの王位を利用するかもしれないと述べていた。しかし今回の話でそれがはっきりと否定された。イザナに呼ばれた白雪は身の危険があるかもしれない状況にもかかわらず、一度もゼンに頼るような視線を送っていない。白雪は自分の力だけで答えを出し、解決しようとしている。ゼンが割って入ったことはもちろん嬉しく思っているだろう。それよりも自分で解決しようとした部分が印象的だった。
選ばれたのがオビではなくミツヒデだったのは、必ず意味があるのだと思う。オビがそのことに気づいたかどうかはわからない。(←原作既読なのに全く覚えていない
最後の白雪の「ゼン…」
稽古にタンバルンに巳早にカズキ…。不安で不安で仕方がなくて、それでも弱音を吐いたわけではない。「助けて」という言葉でもなく、一言の「ゼン…」という言葉。白雪にとってどうしていいかわからない状態であり、そんな中で不安を消してくれる勇気の言葉なのかも。
サブタイトル「運命を紡ぐ赤」
今回のストーリーは、白雪の赤い髪によってつながってきた良い出会いと悪い出会い。その出会いを象徴するような関係性を象徴していたように感じる。良い出会いはゼンとリュウとの出会い。悪い出会いは巳早との出会い。そして新しい出会いは悪い方につながっていくのではないかという不安。それを総括していたように感じる。
そして使われた”紡ぐ”という言葉。”つなぐ”ではなく”つむぐ”。1クール目1話と同じように白雪の赤い髪を糸と見立て、その髪によってしっかりと結びつきあった良いものと悪いものを示していたように思う。関係性の濃さを表すために、”つなぐ"ではなく"つむぐ"が用いられたのかもしれない。
次回への期待
今回はかっこいいオビをふんだんに見ることが出来たので、次回はゼンやミツヒデに見せ場があると嬉しいかも。稽古に励む白雪や、付き添いを外されたオビがどういう行動に出るのか。そういったところまで楽しみたい。
それでは共に、次週を楽しみに待ちましょう。さよならー。
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