徒然もの書きぱん

適当にアニメとかについて書いてます。今期は何について書きましょうか。

響け!ユーフォニアム8話で見えた作品の魅力、久美子と麗奈の魅力|感想 考察

 こんにちは。

 今週の響けユーフォニアムはとても良かったですね。今まで拭えなかった久美子の違和感が拭えた。そんな回でした。
 はっきり言うと、今までユーフォニアムのおもしろさが何かわからなかったんですよね。
 でも、今回の話はとてもおもしろかった。それはたぶん、久美子が久美子らしく、麗奈が麗奈らしくしていたからだと思います。その辺について書いていきたいと思います。

追記(2015/05/29)

 この方のツイートの描写に気づけなかったので掲載させていただきます。


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追記(2015/06/01)

 久美子は変態という文章はさすがに言いすぎだと思い修正しました。
 あと不快だと思われている文章を削除しました。後日それに関する記事を上げます。

追記(2015/06/02)

 僕が感じたことと、それが不快であると感じた人の作品に対する考え方の違いについて考察した記事を書きましたので、こちらを参照ください。www.palepalette-blog.com

この作品に感じていた違和感

 まず最初に、この作品に感じていた違和感から考える。僕がこの作品に抱いてた違和感は間違いなく久美子だ。久美子のキャラが定まらない。緑も葉月も麗奈もキャラクターとして軸が定まっていた。それに対して久美子だけが何を考えているかわからない。基本的な会話はドライで、妄想でははっちゃけている。考えも優柔不断で、目標もよくわからない。
 このようなキャラクターの違和感が僕がこの作品を楽しめていない理由であると感じた。

今回で拭えた違和感

 それに対し、この8話で久美子というキャラクターがはっきりした。このキャラクター、とにかく素直なのだ。素直で冷めてる。だから低音パートにいる時のいい子ちゃんでいることがとても違和感。麗奈に校舎裏で謝っている時もそう。謝っていること自体が違和感だった。でもあの時に、ドボルザークを褒めてやる気が出たといっていたのは本当だと思う。こういう、素直に本音が言える唯一の女子が麗奈である。このキャラクターがいることによって、久美子の冷めた本音を言っている状態が引き立つ。

久美子と麗奈の魅力

 『響け!ユーフォニアム』 麗奈が久美子を意識した理由が本気でよく分からない・・・二人の接点ってこれしかないよな|やらおん!の記事で書かれていることが少し気になったので、二人の関係について書いていこうと思う。
 8話のキャプで久美子と麗奈がこの祭りに込めた思いを比較していこうと思う。

待ち合わせの服装

 久美子がただのTシャツにハーフパンツなのに対し、麗奈の服装は白のワンピースにヒールとかなり気合が入っている。これは久美子としてはただ麗奈と祭りに行くだけ(行きたくない)なので気合を入れる必要はないが、麗奈としては今まで気になっていた久美子と遊ぶ待ち望んでいた機会である。そのために気合の入り方が違う。
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いや、可愛くてびっくりした。

 久美子はかなり驚いている。麗奈が可愛かったのもあるが、自分とはこの遊びに行くのにかける思いの大きさが違うからだ。
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 それを踏まえて、久美子は自分の服装と相手の服装の気合の入り方の違いを靴を見ることで確認している。相手がこれだけ気合が入っているのに、自分はただのスニーカーで来てしまったと。
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道中にて

久:こういうこと、よくするの?
麗:こういうことって?
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久:いきなり山に登ったりとか。
麗:私をなんだと思ってるの?するわけ無いでしょ。
久:だよね。
麗:でも、たまにこういうことしたくなるの。制服着て、学校行って、部活行って家戻って。なんかたまにそういうの全部捨てて、18切符でどっか旅立ちたくなる。
久:それは…ちょっと分かる気がする。
麗:これはその旅がわりみたいなもん。
久:ずいぶんスケールちっちゃくなっちゃったね。
麗:それは仕方ない。明日学校だし。
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久:えっ。
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麗:はやく。

 最後に久美子が驚いたのは、明日学校がなければもっと派手なスケールの大きい旅を二人でしたいと言われていることだ。麗奈が久美子に対して好感を抱いているかどうかはこの段階ではわからず、この台詞をもって久美子は麗奈からの好かれていることを確信する。


麗:交代。
久:えっ?
麗:楽器。
久:いいよ、これ重いし。
麗:だめ。そういうのちゃんとしないと気がすまないから。
久:なんかあれだね。その白ワンピースにユーフォ持たせてるの、背徳感がすごい。
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麗:なんで。

 先ほどの会話で麗奈の好意に気づいた久美子は、今まで他人(秀一以外)には言っていない態度で接する。この会話でポイントとなるのが、背徳感の部分だ。
 麗奈にユーフォを持たせることに背徳感はないが、白ワンピースの麗奈にユーフォを持たせることに背徳感がすごいと言ってる。これは、麗奈に対して遠慮が無いということの表れである。この時点で、麗奈と久美子は言いたいことを言い合える関係になったのだ。

久:足、痛くないの?
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麗:痛い。でも痛いの嫌いじゃないし。
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久:なにそれ、なんかエロい。
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麗:変態。
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 変態と言った後に、小さく高笑いが聞こえる。久美子が声を出している感じではないので、声を出しているのは麗奈だ。麗奈はこの会話を心から楽しんでいる。久美子とくだらない会話をできるようになったことがとても嬉しいのだ。

麗:私ホントはさぁ、前から思ってたの。久美子と遊んでみたいなーって。
久:えっ!?
麗:久美子って性格悪いでしょ。
久:あ、もしかしてそれ悪口?
麗:褒め言葉。中3のコンクールの時、本気で全国行けると思ってたの?って聞いたんだよ?性格悪いでしょ。
久:いや、あれは純粋に気になったから、っていうかそれやっぱり悪口…
麗:違う。これは愛の告白。
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久:どうかんがえても、違うでしょ。
麗:でも私、久美子のこういうとこ気になってたの、前から。親切ないい子の顔して、本当はどこか冷めてる。だからいい子ちゃんの皮、ぺりぺりってめくりたいなって。
久:それは…どういう。
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麗:わかんないかな、私の愛が。
久:高坂さんねじれてるよ。

 麗奈から初めて久美子という言葉が出た。初めて苗字の壁を超えて友だちになろうとしている。久美子の性格について言及し、久美子がどういう女の子だと思っているかをぶちまけている。
 ここで話している愛とは本当の久美子が出せる場を作ってあげることをいっているのだと思う。麗奈のように自分から本音を出すタイプと、場によって本音を出せるタイプがいる。久美子は後者であるが、特定の人物の前では本音になる。それが麗奈と秀一だ。本音を出せる関係になろうといっているのだ。

山頂にて

 今まで鈴虫の鳴き声が響いていたが、ここからは無音だ。二人だけの世界だ。

麗:綺麗だね。
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久:うん。高坂さんはこれが見たかったの?
麗:見たかった、って言うとちょっと違うけど。他人と違うことがしたかったの。
久:地面が星空みたいだ。あれお祭りの明かりかな?
麗:そんなに塚本が気になる?
久:えっ、そんなわけないじゃん。そんなんじゃないし。
麗:ふーん、そんなんじゃないんだ。
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 前述したとおり久美子が本音を出せるのは麗奈と秀一だけだ。だから麗奈は秀一に嫉妬している。久美子と秀一が一緒になることで、久美子の特別になることができなくなるからだ。

麗:ねえ、お祭りの日に山に登るなんて馬鹿なこと、他の人たちはしないよね。
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久:うん、まあ。
麗:久美子ならわかってくれると思って。私、興味のない人と無理に仲良くなろうと思わない。誰かと同じで安心するなんて、馬鹿げてる。当たり前にできあがってる人の流れに抵抗したいの、全部は難しいけど。でも分かるでしょ?そういう、意味不明な気持ち。
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久:うん、わかるよ。高坂さんの気持ち。
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麗:麗奈。
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久:麗奈…
麗:私、特別になりたいの。他の奴らとおなじになりたくない。だから私は、トランペットをやってる。特別になるために。

 久美子も持っている当たり前に出来上がっている人の流れに抵抗したい気持ち。これを久美子が明確に表しているシーンがあった。それは多数決の時だ。久美子は全国大会を目指すのと楽しくやるのとの2択に絞られたとき、このように考えていたのではないかと思う。多数決という時間として合理的な解決策に対して、一石を投じたいという気持ちがあったはずだ。どこを目指すかということはわからないが。
 また、なぜ麗奈はトランペットをやることによって特別になれると考えているのか?そもそも特別とはなんなのか?彼女の考えている特別とは、発言の影響力であるように感じる。自分の言葉なら信じてくれる。自分の言葉なら受け止めてくれる。トランペットをやることでそれを音に表し、音として皆に伝えることができる。トランペットである理由は、高らかに響き渡るからだ。自分の言葉が皆に届くからだ。

吸い込まれそうだった。私は今、この時なら、命を落としてもかまわないと思った。
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 麗奈の発言を受け、久美子は麗奈に付いて行きたいと考えている。この魅力的な女の子に、自分も特別になりたいと考えているから。

久:トランペットをやったら特別になれるの?

麗:なれる。もっと練習してもっとうまくなれば、もっと特別になれる。自分が特別だと思ってるだけのやつじゃない、本物の特別になる。
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 久美子はトランペットは演奏しない。でも自分も同じように特別になりたいのだ。相手に自分の音を残すことがで、相手にとって特別になりたいのだ。

やっぱり久美子は性格悪い。
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 麗奈は嬉しいのだ。久美子は性格の悪い自分の言葉を聞き、自分と同じように思ってくれた。だからこそ、自分と同じで性格が悪い、そんな久美子を褒めたのだ。

二人きりの演奏

麗:準備出来た?
久:できたよ、なにやるの?
麗:中3の時やったやつ。送別会の。
久:あれ?
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麗:好きなの。
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久:わかった。
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 演奏した曲は「愛を見つけた場所」。二人の中で二人が特別になった瞬間だと思う。
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まとめ

 今回のユーフォニアムの演出は神がかってましたね。演出は藤田春香さんという方のようです。これからいいと思った作品の演出さんはしっかりメモっていこうと思います。
 ふたりの気持ちがよくでており、キャラクターが特徴付けられた回だったと思います。今まで久美子という女の子がどういう女の子かよくわかっておらず、この作品のおもしろさもよくわかっていませんでした。今回の話でそれが全面に出て、面白さが爆発したかいだと思います。
 この作品の魅力と良いながら、この作品の魅力について何も書いてませんでしたね。僕が感じたこの作品の魅力は、キャラクターの表情です。見ればわかると思います。生きてるなーと思いました、キャラクターたちが。
 来週以降の話の展開はわかりませんが、特別になったふたりを見て行きたいと思いました。

 以上です。それではまた別の記事で会いましょう!