徒然もの書きぱん

適当にアニメとかについて書いてます。今期は何について書きましょうか。

響け!ユーフォニアム9話の感想と考察とそれぞれの考え

 こんにちは。

はじめに

 ユーフォ9話は緊張感が伝わってきましたね。実はこの9話の感想をしっかりと書けるか不安だったので書くか迷っていたのですが、迷っても仕方かがないと思いましたので書くことにしました。
 9話は誰目線で見るかで話の緊張感が違うような気がしますね。ユーフォ組の久美子、夏紀先輩、あすか先輩。トランペット組の香織先輩、麗奈。部活の代表としての晴香、滝先生。それぞれのキャラクターの想いが伝わってきました。
 またコメントにもあった葉月の恋愛絡みの話ですが、意図的に外しています。理由は単純であまり共感できなかったからです。どちらかというと、僕はあすか先輩みたいなタイプの人間なので、恋愛は応援するけどそれとこれとは別という感じですね。出会ってから気持ちのまま勢いで告白するのが葉月らしいという感想もありますが、物語のエッセンスとしてこれがどのように影響してくるのかが全くわからないのでスルーすることにします。葉月の恋愛絡みの友情の再構成という点に注目している人はお目当ての記事ではないかもしれません。あらかじめお伝えしておきます。
 それでは各グループ、各キャラクターに焦点を当てて記事を書いていきたいと思います。グループごと、キャラクターごとに時系列を守って書いていきます。

追記(2015/06/04)

 この作品って妙にリアルなので、現実的な視点で見ているか、それともアニメとして見るかで見え方がかなり変わってきますよね。葉月に関しも、ブコメにあったように葉月の行動は現実であればものすごくめんどくさい展開。でもアニメだったら可愛いで許される。
 でもこのアニメを見ていると、ふと現実に戻ってしまうんですよね。自分だったらどうするのかという視点ですね。そうすると見え方が大きく変わってくる。夏紀も今までさぼってたくせに今更頑張っても…という感じですね。この見方が正しいとか悪いとかではなくて、他のアニメで許せることがこのアニメではふと許せなくなる。そういうものが端々にある。
 だからこのアニメが他のアニメと違う面白さがあるかもしれないと思うようになりました。そういうものの一端を感じ始めると見え方が変わってくるかもしれません。

感想・考察

久美子(ユーフォ組)

 最初に久美子を通して今回の内容を整理する。久美子の視点から物語を書き表す。

久美子を見る際の留意点

 久美子には2つの役割があり、見ている人に心理的情報を伝える役割彼女自身の考えを伝える役割である。簡単に言うとナレーションとしての役割とキャラとしての役割である。どちらも本音でありどちらも久美子であるが、ナレーションのほうが取り繕っていない本当の彼女としての発言であるような気がする。誰しも内面の声のほうが本当の気持ちであるような気がする。

音のレベルアップ

 麗奈との一件により、音が良くなったと先輩たちから褒められた。あすか先輩のセリフ、

真面目で面白みにかけてたのが、味わい染み出てきた。

はとても興味深い。今まで無機質に楽器に向かい合うだけだったのに、自分なりに音に表現を加えようとしているということだろうか?ここでは確かに音の話をしているのだが、これは久美子自身の変化についての言及であるように感じた。今までただ素直に生きているだけだった久美子が、自分から挑戦しようとしているというメッセージであるように聞こえた。麗奈との一件が与えた影響は大きく、他人が感じることができるほどのものであったということである。

あすか先輩に対する「正直すぎます」という発言

 これは麗奈との一件がない状態での久美子からも出る発言かな?と思った。今までの久美子はどちらかというと流されるだけで、自分の意見を主張することはなかったように思う。主張するにしても相手を必ず選んでいた。しかしこの発言からはそのような遠慮というか空気を読むというか。そういうことをしていないように見えた。あすか先輩が怒っていることに気づかなかったようだが、発言しようとしたという変化が重要であるように思う。

久美子の秀一への気持ち

 正直わからない。幼なじみとしての独占欲があるかもしれないが、それが好きっていう気持ちかどうかはなんとも。好きっていう気持ちに具体性をもたせるのはどうも難しい。
 葉月と祭りに行くように促したことで広がったふたりの気持ちは大きかったのか。自分たちの関係を考える時間になっていることは間違いない。
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葉月の気持ち

でも、葉月ちゃん無理にでも元気で話していたいんじゃないかな?葉月ちゃん、元気でいたいんだよ。いつもどおりでいたいんだと思う。だから、緑ちゃんも私も、いつもどおりがいいよ。

一歩引いて葉月を見ている。でも3人の関係は一歩近付いたのではないかと思う会話であった。
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麗奈に揺れ動かされた久美子の気持ち

たぶんそれは、あの麗奈との夜があったからで。自分でも処理しきれないような意味不明な気持ちと戦いながら、どんどん前に進もうとする麗奈の姿に、私は感動したんだ。秀一とはまだ話せないままだけど。

麗奈によって勇気をもらい、自分も一緒に前に進んでいこうというという気持ちの表れだ。でも秀一とはまだ葉月の件で仲直り出来ていないし、そう簡単に行動できるものではないということを示した。

友だちになった3人

 今回の葉月の件を踏まえて、互いの壁が取れたような気がする。久美子の態度が麗奈といる時と違うのはしょうがないとして、特別な友達と言える仲になったのではないかと思う。
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オーディション本番の朝

 練習をするために少し早めに登校。時間が違うため秀一はいない。そんなことから非日常を感じる。普段との違いを秀一がいるかどうかで感じている。それだけ秀一を気にしている(だからといって好きかどうかはわからない)。
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 学校に登校して廊下を走る久美子。この時の廊下の広さは、久美子が気持ち的に追い詰められていることを示している。オーディションという緊張感を、久美子が周りを見る余裕のない状況にあることを示しているのかもしれない。
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 朝練で偶然であった3人。オーディションに向けてやる気が伝わってくる。
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校舎裏での練習

 先ほどやる気が伝わってくると書いたものの、久美子にやる気があったかどうかがいまいち不明瞭。リラックスして楽器を吹けている顔なのか、それともいまいち気が入らないのか。
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夏紀先輩の練習風景

 今までちゃんと練習してこなかった彼女が、自分の指がちゃんと動かないことに腹を立てながらも懸命に取り組んでいる姿を目撃する。
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そんな夏紀先輩の姿を見て久美子は、

皆吹きたいんだ。コンクールに出たいんだ。そんなあたりまえのことを、私は、やっと理解した。同時に、先輩たちと競い合わなけらばいけないことを、怖いと思った。
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と感じる。このセリフは、自分が特に理由もなく続けてきた吹奏楽に対してのことかと思ったが、1話から久美子は吹奏楽への思い入れは強く感じた。そのためここで言っているコンクールに出たいとは、今まで自分が特に理由もなく続けてきたユーフォのことを指しているのだと思う。久美子はユーフォを長い間続けてきたから当然うまい。しかし、この楽器への思い入れはなく、そんな軽い気持ちでやる気のある人を差し置いてコンクールに出ることが怖いのだ。過去の回想が影響している思うし、たぶん中学の時に先輩からなにか言われたのだろう。そのことがきっかけとなり怖いと感じているのだ。

麗奈の励まし

 そんなことを考えているときに麗奈がやってくる。これはもう狙ったとしか思えないタイミング。久美子が麗奈と呼んでいることの違和感の無さが違和感だった。なんかいつの間にかこのふたりの関係が自分の中に落とし込まれていたことに気付かされた。
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私も頑張る。だから頑張って。私も頑張るから頑張って。約束。
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久美子の中の特別である麗奈がここまで自分を励ましてくれているのだ。そりゃ頑張ろうと思うよ。

 ここでひとつおもしろい演出があった。それがこのシーンだ。
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このシーンでは、麗奈が入ってくることにより埃が舞っている。この埃が何を表しているかというと、久美子の心の状態だ。今まで不安で、怖さでいっぱいだった久美子の心に、麗奈という新しい風が舞い込んだ。そのことによる久美子の心の動きを表しているシーンであるように感じた。そして麗奈から言葉を投げかけられた久美子はそれに答えようとする。その動きでまた埃が舞い、麗奈の心に久美子という風が舞い込んだのだ。
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オーディションの待ち時間

 みな落ち着かない様子。緑のコンバスが好きという話は、久美子とは対局にあるような気がした。この発言について久美子が何を感じたかはわからない。
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いざオーディション本番

 ささっと終わるあすか先輩に対し、じっくりと行われた夏紀先輩。テンポが早く、練習よりも緊張している様子が伝わった。ここに関しては視聴者はみな感じていたのではないかと思う。
 続いて久美子の番。滝先生の質問については後で考察する。あまり練習していなかった場所を指示されて緊張している姿にこちらも緊張させられた。麗奈の顔を思い出して決意を固める久美子がとても印象に残った。
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結果発表

 自分が合格したことよりも夏紀が落ちたことを気にしている。トラウマであることは間違いない。バカにしてるの?という過去の描写が指すものは、後輩のほうがうまいという嫉妬から出たものではないだろうか?だからこそ夏紀に声をかけることができないのではないだろうか。
 秀一が合格した際にしっかりと目で追っていること。過去を振り返えっていたことで、過去ずっと同じ場所にいた秀一を気にしているのだろうか。
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とりあえずここまでが久美子(ユーフォ組)の視点で考えられる内容である。準備室の麗奈とのやりとりは良かったように思う。足でお互いの気持を表しているところはさすがだ。

香織と麗奈

 このふたりはソロを奪い合うライバルだ。それぞれひとりで練習する描写が描かれていた。麗奈は6話、香織は6話と9話である。
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それぞれが互いを意識しつつ、ソロパートを渡さないという意志が伝わってきた。今回の9話では香織がソロをやりたいという意志が強く描写された。廊下で麗奈とすれ違った際に、香織の手が震えていたことシーンがとても印象的であった。自分よりもうまい相手であることへの嫉妬なのか。それよりソロを奪われることにより後悔からの信頼を失う恐怖なのか。
 自分が本気を出して負けるということはとても悔しく体験したくないこと。だからこそ、ここでの描写は純粋に負けたくないという意志から出た緊張であるように感じた。
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晴香

 香織と3年間を共にしてきたからこそ、香織には麗奈に負けないでほしいという思いがある。それにもかかわらず、廊下ですれ違った麗奈に部長として接することのできる晴香に大人の一面を感じた。香織が負けないという自信があるほど、周りが見えていない人ではない。部長としての一面と、友達としての一面を見せつけられる香織としては、麗奈への頑張ってねという言葉は少し悔しいかもしれない。
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滝先生

 滝先生が最初に定めた全国大会出場のために、優秀な人材によってのみ構成されたチームが必要となる。そのための足がかりがオーディションだ。オーディションを行うことで実力を高め合い、成長を促そうとしている。全員を前に向かせるためにとった行動も、すべてはこの全国大会につながっていると思われる。
 また、久美子のオーディションの際に気になるセリフがあった。久美子が7年間ユーフォを演奏しているということに対する発言である。

それは、なかなかすごいですね。

少し苦笑気味なのが気になる。僕が感じた解釈は二通りである。

  1. ユーフォという特徴のない楽器をよく7年間も吹き続けることができたのか
  2. ユーフォを7年間も吹き続けるほど、この楽器のことが好きなのか

苦笑の原因を考えると、1.は疑問であり、2.は呆れという感じである。

1.ユーフォという特徴のない楽器をよく7年間も吹き続けることができたのか

 可能性として、滝先生はユーフォの経験者であり、この楽器の特徴をよく理解している。そのことを踏まえて、彼女が7年間ユーフォを吹き続けることができたのか。そのことが少し疑問として残っているのではないかという可能性だ。演奏を聞いて久美子の苦手そうな場面を演奏させたことからも、しっかりとユーフォという楽器を理解している側面も描かれていた。

2.ユーフォを7年間も吹き続けるほど、この楽器のことが好きなのか

 ユーフォという楽器は吹奏楽の中では地味であると序盤に説明があった。そのような地味な楽器をずっと吹いているということは、この楽器が好きであると考えた可能性だ。そのものが好きなひとからはそれが伝わる。緑が良い例であるように思う。そのような仮説と久美子から出る雰囲気を比較した結果、その雰囲気を感じられずに少し呆れているのではないかと思う。

二つ挙げたはいいが、もっと別の考え方が正しいようにも感じた。

まとめ

 9話のオーディションでは、厳しさと達成感が得られる回であったように思います。それと同時に競争というなかでの成長を見られたのがとても良かったですね。あすか先輩について書き忘れましたが、恋愛でモチベーションが変動するのに付き合うのは確かに不快。集団でやるものは理由がなんであれ迷惑になる行為は、どの行為も一様に迷惑としてしか片付けられない。これが僕だけなのかどうかは知りませんがタイプとしてはあすか先輩に近いのかもしれませんね。自分のペースを変えられたくないといいますか。まあそんな感じなのであすか先輩にはかなり共感してます。あとは麗奈がソロで選ばれたことによる上級生の圧力が怖いけれど、そのあたりは次回以降で掘り下げられるでしょう。リボンの女の子も合格しており、うまかったのかと少し驚きましたね。あと、晴香が合格者として名前が呼ばれていないが尺の都合だと信じてる…。今週の感想と考察はこのへんで終わりにしたいと思います。

 以上です。それではまた別の記事で会いましょう!