たまゆら~卒業写真~ 第四部『朝 ―あした―』の感想 ~五年間ありがとう~
こんにちは。
昨日、たまゆら~卒業写真~ 第四部『朝 ―あした―』を見てきました。締めくくりとして最高の一本になったと思います。
感想
今回は語りたいこと・形にしておきたいことはあまりなく、よかったという感想を垂れ流しにしておきたい気持ちが強いです。ですが二点だけしっかりと書き残しておきたいと思います。
楓にとってのRollei 35S、そして二枚の写真
Rollei 35Sは形見であり、友達とのつながり。それが四部で大きく変わったように思える。今までは形見であるカメラで写真を撮ることが父親と作れなかった思い出を作る事にもなり、自分を成長させてくれた切っ掛けにもなっていた。彼女が広島に戻ろうと決心したのはこのカメラのおかげである。そのカメラが三部では故障し、四部では完全に壊れてしまう。それが切っ掛けで楓は自分の将来を見つめなおし、志穂美さんのいる東京に行こうと決意することが出来たのだと思う。つまり、“楓にとってRollei 35Sは形見であり、写真を撮ることが他者とのつながり”であると分離することが出来たのだと思う。
それがラストで楓の部屋に飾られていた写真からも伝わってきた。Rollei 35Sで最後にとった写真と夏目からもらったカメラで撮った最初の写真。二つの写真にはたまゆらが写っており、幸せが詰まっていることを表しているようだった。どのカメラで撮ったことが重要なのではなく、どんな気持ちで写真を撮ったかが重要であると。二枚の写真を並べて置くことで、それが強く伝わってきた。
Rollei 35Sで楓を見つめる母
卒業式のワンシーンにこのようなカットがある。
このカットではすでにカメラは壊れ、もう写真を撮ることが出来ない。ここで珠恵のしていることは、夫が見たかったであろう景色をカメラを通して見せていること。もし生きていたらこうやってファインダーを覗いていただろう。
もう一つ重要なのが、珠恵がファインダーを覗いていない方の目を開けているということである。カメラを覗く際、普通はファインダーを覗いている目だけを開ける。ここで両目が開いているのは、自分の左目で楓を見て、右目のカメラを通して父親の見てたであろう楓を見ていることにあるのだと思う。
そして左手に光る結婚指輪がそれを象徴しているようにも感じた。二人が楓を見送っているだけでなく、珠恵の夫を思う気持ちも伝わってくる素晴らしいシーンだったと思う。
タイトルについて
今回のタイトル『朝―あした―』は新年を迎えた際の朝を指していると思う。これまでと同じように迎えた新年なのにこれまでとは違ったあしたが来た、という楓の不安でもあり希望でもある。あしたというのはこの四部のテーマでもあり、今までとは違った時間が始まっていることを明示していたように思う。
昨年の4月4日から一部の公開が始まり、そして今年の4月2日に四部が公開となった。あっという間の一年であり、とても充実した時間を過ごさせてくれた作品となりました。このたまゆらはOVAの時から追っかけていて、その5年半を最後まで見届けることが出来たことを幸せに思います。新生活が始まった彼女たちに負けないよう、自分自身と夢を見つめて行きたいと思います。本当にありがとうございました。
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