アニメ『僕だけがいない街』11話の感想と視聴者にも見えている蜘蛛の糸
こんにちは。
原作から追っていた『僕だけがいない街』がアニメ化され、11話での演出に感動したので記事にしておこうと思います。
蜘蛛の糸
11話の冒頭で八代が芥川龍之介の蜘蛛の糸について述べている。冒頭で示された蜘蛛の糸の例は、悟と加代の二人だけだった。
でも見返してみるとそれ以外のシーンでも蜘蛛の糸が見えている箇所がある。
殺される(そうになる)人間
八代は蜘蛛の糸が見えた人間を殺している。つまり八代によって殺された殺される(そうになる)人間に蜘蛛の糸が見えている。逆に糸の見えていない人間は殺されず、犯人の代用として利用される。
藤沼佐知子
1話のラストで殺される。蜘蛛の糸は澤田に電話をかけているタイミングで見えている。
雛月加代
4話のラストで失踪。蜘蛛の糸は11話の八代の解説時に見えているのみ。
片桐愛梨
5話のラストで放火により殺されかける。蜘蛛の糸は5話のバイト帰りのところで見える。
杉田広美
加代の次に殺される。白鳥潤を犯人にするため。蜘蛛の糸が見えた描写は無し。
中西彩
加代の次に殺される。蜘蛛の糸が見えた描写はおそらく無し。
藤沼悟
11話の冒頭で殺されかける。蜘蛛の糸は11話の八代の解説時に見えているのみ。
一応、全話見返してみましたが見つけられないキャラクターもいました。もしかすると見逃しかもしれませんので、探してみるとあるかもしれません。
感想
劇伴の入り方もよく、感情揺さぶられる回になっていました。11話は原作では出来ない良さを持った素晴らしい回でした。
マンガではできない声の演出
マンガで現代編に戻る際、ビジュアルが変わっていることを強調することで現代編であることを印象付けている。
それに対し、アニメでは声色を変えることで成長していること示している。
雛月加代の成長
男性キャラは声変わりによりキャストが変更されている。一方で女性キャラである雛月加代はキャストが変更されていない。悠木碧さんの声の印象に変化をつけることで、雛月加代の成長を強く感じさせた。子連れで現れた加代からももちろんその印象は強く受けた。
藤沼悟の成長
過去編では、声:子ども、心の声:大人、という表現をしていた。それに対し現代編では、声:大人、心の声:子ども、という表現になっている。記憶を取り戻せていないことを声を入れ替えることでも示していた。
藤沼佐知子の献身さ
いくら自分の子供とはいえ、これだけ長期間面倒を見ることができるのは単純にすごいと感心してしまった。自分の人生の全てを悟のためにかける佐知子にはそれだけの覚悟があるということだろう。だからこそ、悟に過去の記憶を取り戻してもらいたくないという想いも強かったのだと思う。
八代学の危うさ
八代は悟との過去編でのやり取りを大変気に入っていて、自分の人生の中で一番の喜びとしているのではないかと思う。自分で過去の名前を明かしたり何度も対面するなど、かなりのリスクを負っている。それだけ悟に記憶を取り戻してもらいたいと感じている。平穏に生きるのではなく、わざわざ綱渡りをする。それが彼の生き方なのだろう。
また、屋上に行く際にいつの間にか革手袋をはめている。屋上で何らかのアクションをすることの現れであり、最終決着とするための下準備なのであろう。
ラストでこの作品がどう締められるのか気になります。明日の最終話を楽しみに待ちたいと思います。
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