徒然もの書きぱん

適当にアニメとかについて書いてます。今期は何について書きましょうか。

アイカツ同人誌紹介No.3『パパライチ』


作品概要

タイトル パパライチ
著者 みーと
Twitter みーと@芸カ18新刊通販あり (@mitomusee) | Twitter
頒布 芸カ18(2019-02-24)
サンプル https://twitter.com/mitomusee/status/1094799501900926976
ページ数 68
通販 パパライチ - ATELIER LB - BOOTH

本作紹介(ネタバレなし)

 本作はいちごやあおいが大人になり、あおいがスターライト学園を織姫学園長から引き継いだ後の世界。世間からアイドルブームは過ぎ去り、アイドルの活躍の場が失われた世界。そんな世界で鬱々とパパラッチとして活動するらいちが、初心を取り戻していく話である。
 いうなれば本作は、アイカツで絶対に描かれなかった現実世界とのクロスオーバーである。

感想(ネタバレあり)

 本作を読み終えた後の感想としては、今までにはなかったアイカツ同人誌だと思いました。多くのアイカツ同人誌で前提となっているのは、アイドルが必要とされる世界でアイドルが活躍することです。その前提を崩している点が本作の魅力であり、重たさの正体だと思いました。
 将来のらいちがマスコミに入ることは想像に難くない一方で、らいちがなぜパパラッチになってしまったのだろうかと思いました。らいちはアイドルの才能を嗅ぎ分ける能力があり、それはこれから活躍する新人を見つける力でもある。それを良い方向に使えばプロデューサーに、悪い方向に使えばパパラッチのように可能性を潰すことができる。らいちはあおいのプロデュースに失敗していると感じていて、その結果としてプロデュースの道を諦めしまったのでしょう。だから悪い方向に進んでしまったのだと感じました。らいちの苦悩と周囲の人間のらいちへの期待を感じ取ることができました。
 あとアイカツを盛り上げていた井津藻ディレクター、徳井アナウンサーの登場は非常に嬉しかったです。やっぱりこのふたりだよなーと思わされました。このふたりの熱い想いこそがアイカツですよね。

 本作はなぜを追求しながら読み進めることで深くまで入り込むことができました。なぜあおいは学園長になったのか、なぜらいちはパパラッチになったのか、なぜソレイユだったのか、なぜソレイユのステージは埋まったのか。そんなたくさんのなぜを、「〜だから」と説明できる良い隙があったと思います。
 世界を描きつつ、世界を描ききらない素晴らしい本でした。ありがとうございました。