アニメ『劇場版アイカツスターズ!』の感想 ~笑顔のために、笑顔をとどける~
こんにちは。
先日、劇場版アイカツスターズを見てきましたので、その感想を書いていきたいと思います。アニメが放送してからまだ4ヶ月しか経っていない状態での劇場版ということもあり不安でしたが、見た感想としては杞憂だったかなと思いました。逆に始まったばかりだからこそやれる話になっており、『アイカツスターズ!』への興味が湧く内容になっていたかと思います。
本映画の構成
今回の『劇場版アイカツスターズ!』は『アイカツ! ねらわれた魔法のアイカツカード』との同時上映になっていた。アイカツが先に放映され、続いてアイカツスターズが流れる構成だった。
アイカツ! ねらわれた魔法のアイカツカード
こちらはこれまで出てきた全てのアイドルが登場し、ごった煮でストーリーが進行するというものであった。テレビシリーズの『アイカツ!』が好きな人にとってはニヤッとしてしまうキャラクターも登場し、懐かしさを感じる一本になっていた。一挙手一投足もこれまでのキャラクターらしさを感じ、幕を閉じたアイカツの余韻を味わうことができた。
注目すべきは、ラストのライブシーン
ラストのライブシーンでは、作中に登場したほぼ全員のメンバーで『アイドル活動!』が披露される。全員の歌は圧巻の一言だが、それ以上にカップリングからこれまでのアイカツの歴史を感じることが出来た。
ライブシーンでは右から左へとカメラが移動し、アイドルをアップで撮るシーンがある。そこでは、ユリカとスミレ、あかりとまどか、いちごとセイラ、あおいときい、などなど。これまで一緒にステージに立ち共にアイカツをしてきたメンバーが、再び同じステージでアイカツを行っている。彼女たちが積み重ねてきた時間があるからこそ光るワンシーンであり、わたし達が見届けてきた時間があるからこそ胸に残るワンシーンとなった。作中ではほんの一瞬しか扱われなかったカップリングもあったため、再び目にすることができた感動は非常に大きかった。
この劇場版をもって『アイカツ!』が終りを迎え、『アイカツスターズ!』へとバトンが渡された。その最後を飾るにふさわしいステージであったように思う。
劇場版アイカツスターズ
そして劇場版アイカツスターズは18話の続きで構成されておりアイカツアイランドが舞台となる。そして今回のテーマはゆめとローラの友情であった。
ふたりでやることが、ふたりにとっては当たり前
今回S4のステージに出演をかけたオーディションが行われるという発表のあと、ゆめはローラとの出演を考えており、それはローラも同じであった。これまで同じ花の歌組として互いを高め、認め合ってきたからである。そしてふたりがともにステージに立つことを望んでいる仲間たち。それだけゆめとローラは、ふたりでやることが当たり前になっている(さすがに同じトロピカルジュースを飲み始めた時は驚いたが…)。だからこそ学園長によるゆめとローラが引き裂くような提案は、ローラにとっては重い選択であり決断であったように思う。ゆめを想うからこそ、ひめ先輩と同じステージに立ってもらいたい。自分のわがままでゆめが成長するチャンスを奪いたくない。その葛藤が喧嘩を生み、言い訳になっていった。ふたりにとっての当たり前が、初めて当たり前でなくなった。
それにより、ゆめとローラがどれだけ互いのことを考えていたかがよくわかった。ローラは真昼との練習中にゆめといつもやっているように手をたたく動作をとってしまう。ゆめはローラが自分以外と組んでいるところを見て落ち込んでしまう。だからこそ高台での仲直りの瞬間はとてもホッとしたし、顔がほころんでしまった。またあれだけ顔を近づけて自分の考えを伝えていたのは、前のめりになってしまうほど嬉しく、そして不安だったのであろう。一度距離が離れたからこそ、前以上に心の距離が近づいた。それがラストのステージであったように思う。仲直りしたふたりのステージは、ダンスと歌と歌詞が相まって最高の一言であった。ふたりをストレートに表した歌詞がより心に響くステージにしていた。18話という短い期間にもかかわらず、50話のいちごとあおいのような関係を築いているような気さえした。それぐらい胸に残るステージであった。
すれ違いの中で気づく気持ち
そして今回マスコミとマオリによって、「アイドルは常にアイドルであることが求められている」ということが示されていた。マスコミからマイナスのイメージ、マオリからはプラスのイメージによって。
マスコミが彼女たちを描写することによって、世間という広い意味での関心が表されていた。そして喧嘩をした理由ではなく、喧嘩をしたという結果にフォーカスされていた。だからアイドルとしてそのような負の一面を見せてしまったことを、ゆめは反省していたように思う。もちろんローラと喧嘩した事自体がショックなのは言うまでもない。
その一方でマオリに対しては落ち込んでいてもアイドルとして夢を与えていたように思う。ローラと喧嘩をしたとしても、それをファンに見せるのではなくファンには明るい笑顔を見せる。ゆめが高台で歌ったあの瞬間、本当にアイドルであったように思う。アイドルの笑顔があったからマオリは笑顔になり、伝説のドレスを渡したいと思ったのだと思う。
ファンの笑顔のために、アイドルは笑顔をとどけ、ファンの笑顔でアイドルは笑顔になる
マオリのおばあちゃんが言っていたように、アイドルの仕事はファンに笑顔をとどけることである。マオリにむけて歌い、マオリを笑顔にさせたことそのものがアイドルの仕事であった。
オープニングステージ、S4のステージ、ゆめとローラのユニットステージ。全てのステージで私たちは笑顔になり、幸せな気持ちにさせてもらえた。そしてステージだけではなく、真剣にアイカツに取り組む姿すべてでわたし達を笑顔にさせてくれていた。だからこそこの劇場版が素晴らしかったと胸を張って言えるし、多くの人に見てもらいたいと言えるものになっていたのだと思う。
以上が劇場版の感想になります。アイカツスターズはアイカツとはかなり雰囲気が変わり、戸惑う部分もあったというのが正直なところです。しかし毎週欠かさず見ていくうちにアイカツとのアイドル活動の違いを知り、応援したいと思える作品になってきていると思っています。今後ともアイカツとはまた違ったアイカツを見せてくれるのではないかと、わくわくしながら見ていきたいと思います。
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