アニメ『劇場版アイカツ!』の感想 ~世代交代による物語の継承~
こんにちは。
僕がアイカツにはまるきっかけとなった『劇場版アイカツ!』について感想を書いていなかったので、今回はこちらについて述べたいと思います。
感想
劇場版はアニメ112話『GOGO!いちご応援隊』の後の話になる。いちごが大スター宮いちご祭りと題してライブを行い、トップを走り続けてきた美月を抜く。そしていちごの背中を追いかけるあかりへ次のバトンが渡される。劇場版では世代交代が軸となっている。
始まりのSHINING LINE*
冒頭でいきなり2期の名曲「SHINING LINE*」が披露される。101話ではあかりが主役でいちごたちがサプライズゲストで登場する。それに対して今回はあかりがサプライズゲストで登場する形となっている。101話のタイトル「憧れのSHINING LINE*」という夢を再び叶えている。そしてこの劇場版を輝かしい一曲からスタートさせている。
数多くの名曲が生まれたアイカツだが、「SHINING LINE*」はやはり特別な一曲。それを思い出させた冒頭であった。
大スター宮いちご祭り
これについてはいちごの「見てくださった方が素敵な明日を迎えられるような、そんなステージにしたい」という言葉に全てが詰まっていた。見てくれた人が素敵な明日を迎えられるということは、翌日以降もステージを思い出せることにあると思う。最高に楽しかった時間を思い出し、また頑張ろうと思える。結局は普段のいちごのステージと一緒である。舞台が大きくなってもやることは変わらない。みんなが見て楽しいと感じてくれるステージをつくるだけだ。
あなたに着てもらえることは幸せなこと
天羽さんの「今まではそうだったわね。でも、もう違う」という言葉はいちごを永遠のパートナーと認めたことを表しているように感じた。数多くのプレミアムドレスをいちごのためにデザインしてきたが、あくまでもいちごからお願いしてつくってもらっていた。それがこの大スター宮いちご祭りでは天羽さんからいちごに着てほしいとお願いに来る。「あなたに着てもらえることは私にとっても衣装にとっても、エンジェリーシュガーにとっても幸せなことなのよ」という言葉通り、本当の意味でいちごがエンジェリーシュガーのモデルになった瞬間である。
みんなではなく、ただひとりのために
花音さんに曲を作ってもらったが、実際に聞いてみた曲は少しイメージと違っていた。花音さんが作ってくれた曲は「自分」が主なテーマになっており、昨日の私も明日の私も一歩ずつ進んでいこうというものである。
それに対していちごが思いを込めたい相手は美月である。花音さんがいちごが語る美月を詳しく知り、その言葉をしっかりと受け止めたから輝きのエチュードは素晴らしい曲になった。私を立派なアイドルに導いてくれたことへの感謝と、これからもアイドルとして頑張り続けていくという宣言が込められた一曲。ラストのいちごのどこか憂いているような、そして感謝しているような表情からも美月への想いが伝わってきた。いちごから美月へのありがとう。
よじ登っておいで、てっぺんで待ってるから
アンコールではいちご、美月、あかりの三世代のアイドルがステージに立つことができた。美月に憧れてアイドルになったいちごは美月へ感謝の思いを届け、いちごからはあかりへバトンを渡した。美月から言われたのと同じようにあかりにてっぺんで待っていると伝えた。この言葉は、「あなたがアイドルとして活躍する姿をずっと見ている。だからどんなことがあっても諦めずに前を向いて」ということ。自分がしてもらったのと同じようにあかりを導こうとしている。
世代交代による物語の継承
この劇場版をもっていちごが主人公の物語が終わり、あかりが主人公として活躍していく。これはアイカツが終わるのではなく、また新しいアイカツが始まっていくことである。
美月のアイカツはトップアイドルを長年守り続けながらアイカツを盛り上げてきた。Tristar、STAR☆ANIS、WM、AIKATSU8と多くのユニットで活動し、そしてそのたびにメンバーを引っ張ってきた。
そしてそれを引き継いだいちごはソロで活躍しながら、あおいと蘭の三人でSoleilを結成してスターライト学園を代表するユニットとして成長した。個人としてトップアイドルになることができたのは、二人が力を貸し三人で協力できたからである。ソロとユニットの両立がいちごのアイカツであったように思う。
その想いを受け継いだあかりがどういうアイカツをしていくのか。三期ではそれが描かれている。いちごに憧れるからといっていちごと同じアイカツを歩むわけではない。二期後半で描かれたように、いちごほどの才能を持たないあかりはひたすらに努力を続けていく。そしていちごとは異なるアイカツで成長していく。
世代が変わるからこそ見られるアイカツがある。主人公の変更は物語の終わりではなく、始まりを示している。
最後に
劇場版アイカツは何回見たか正直覚えてないですが、見るたびに新しい想いが湧き上がってきます。僕はアイカツシリーズの一番最初に劇場版を見たので、「アイカツは話数が多くてみるのが大変」と感じている人にこそ見てほしい一本です。ネタバレになるからとかそんなことはどうでもいいと思えるほどに、この作品に込められた想いを感じてもらいたいです。
三期も見終えているので近いうちに感想をアップしたいと思います。それではその時まで。
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