優れた音楽のある作品ほど記憶に残るのではないか? ~劇伴の重要性について~
はじめに
こんにちは。
長らくブログを更新していなくて申し訳ないです。今回は前回の適当な記事からの真面目な記事です。(下書きに保存されていない新規のテーマについて書いていますが…)www.palepalette-blog.com
アニメ、ドラマ、映画。と、なんでも良いんですが、映像作品においてあまり焦点の当たらない音楽。今回はそこに焦点を当てて見たいと思います。
劇伴とは
劇伴(げきばん)は、映画やテレビドラマ、演劇やアニメで流れる伴奏音楽を言う。また、音楽におけるジャンルのひとつ。
劇伴 - Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%87%E4%BC%B4
今回の記事で扱う劇伴は作中で流れるBGMのことを指すことにします。
頭に思い浮かぶ有名曲
この記事を書いている時にふと思い出されたスターウォーズのテーマ。www.youtube.com
僕は洋画をあまり見ないので記憶が薄いのですが、この曲は鮮明に覚えています。そのイメージの残り方は、作品が好きな人ほど強いのではないでしょうか? それこそ映像と一緒に。
どのシチュエーションで曲が使われ、流れた曲によってどのような衝撃を受けたのか。作品への思い入れが強い人ほど、具体的な感情が音楽を通して映像として呼び起こされるのではないかと思います。
つまり音楽は、作品へのインパクトを残しつつ、回想する際の導入剤としての役割を大きく担っていると思います。
もちろんオープニングやエンディングも同様
オープニングやエンディングで流れる音楽と映像。もちろんこれらも主題歌に含まれると思います。オープニング・エンディングと劇伴のどちらがメインテーマかについては、作品によって異なる部分であると思います。
オープニングとエンディングに関しては、
- 映像とのマッチング
- 曲の入り方
- サビでの映像の変化
劇伴に関しては、
- シチュエーションのマッチング
が重要であると考えています。両者とも耳に残るということは前提です。
劇伴が作品の雰囲気を決める
その一方で、劇伴が作品の雰囲気を決定していると考えています。オープニング・エンディングを合わせても3分間。それ以外の時間に劇伴が流れています。さらに言えば、作品の進行とともに流れるのも劇伴であり、映像とともに作品の印象を担っているといえます。
メインテーマの担う役割
その中でもメインテーマの担う役割は重要です。なぜなら、「アレンジによってあらゆる場面で使われるから」です。
今回は僕が好きな作品である「ガールズ&パンツァー」を例に取り上げます。
ガールズ&パンツァーのメインテーマといえばこちら。www.youtube.com
サウンドトラックに収録されている50曲のうちボーカル曲を除くと46曲。そのうちメインテーマのアレンジが11曲となります。約1/4にメインテーマの曲調が盛り込まれています。その中でも重要なシーンで使われており、最終回を見ていただければわかってもらえると思います。マウスとの戦闘ではメインテーマが用いられ、ラストの戦闘や結果発表でもアレンジ楽曲が使用されています。www.youtube.com
www.youtube.com
このように重要な場面に使われるというのはもちろんなのですが、もうひとつ、「耳に残った曲が使われる」というのが大きいと思います。何度も流れて聴き馴染んだ曲が重要な場面で流れる。それによって空気が引き締まり、感動も大きくなる。そのような効果がメインテーマにはあると思います。
サントラを聞いていても蘇る感動
映像を見ることと比較すると、音楽を聞くことのほうが手軽です。サントラを聞くことで作中の雰囲気を思い出すことができ、作品の良さを再確認することが出来ます。
曲を聞いて作品を思い出す。そしてまた映像が見たくなる。そんな力がBGMにはあると思います。
追記(2015/10/29)
Twitterでとあるコメントを目にし、すごく腑に落ちました。和泉幸奇(@kouki_izumi)さんから掲載許可が得られましたので、そのまま掲載させていただきます。
この手の評論は逆の例も一緒に挙げてくれないと納得しかねるなー | 優れた音楽のある作品ほど記憶に残るのではないか? ~主題歌の重要性について~ - 徒然もの書きぱん https://t.co/GJMk8AJgUl
— 和泉幸奇@冬コミ2日目い-22ab (@kouki_izumi) 2015, 10月 29
というか、「作品としては最高だけど音楽がスベってるせいで記憶に残らない作品」とか存在するのかな? しないんじゃないかな? 商業作品の主題歌や劇伴って基本的にかなりレベルが高いから、主体となる作品自体の評価に応じて音楽の評価も上がるものだと思うけど
— 和泉幸奇@冬コミ2日目い-22ab (@kouki_izumi) 2015, 10月 29
私の持論として、「音楽への評価は思い入れが9割」ってのがある
— 和泉幸奇@冬コミ2日目い-22ab (@kouki_izumi) October 29, 2015
だから論点としては逆で、音楽というのは思い入れを持てる状態で接することではじめて「優れた音楽」になるんじゃないかということ
— 和泉幸奇@冬コミ2日目い-22ab (@kouki_izumi) 2015, 10月 29
音楽評論ってどうしてもジャンル性とか歴史的経緯に依った上での評論になるけど、そもそも音楽を音楽性のみで論じることって誰にもできないのではないかと思う。というか音楽性のみで音楽をやってる作家自体が現代音楽のフィールドとかにしかいないんじゃないかと
— 和泉幸奇@冬コミ2日目い-22ab (@kouki_izumi) 2015, 10月 29
主題歌がスベってるアニメ挙げたら枚挙に暇がないと思うけど(最近だとシ○ニア2期のEDとか……)、それでアニメ自体の作品性に瑕がつくレベルの事態はあんまりないんじゃないの。名作と呼ばれるアニメならなおさら
— 和泉幸奇@冬コミ2日目い-22ab (@kouki_izumi) 2015, 10月 29
ガルパン然り、僕が取りあげた作品は僕が好きな作品です。鶏が先か卵が先か、という問題と同じように、音楽が先なのか作品の評価が先なのかについて全く議論していませんでした。その辺りについて触れさせていただきます。
評価の順と組み合わせ
僕の音楽の評価はおそらく「作品→音楽」というものになっています。作品の良し悪しにかかわらず、作品を見ながら音楽に触れているのでその順位が変わることはないと思います。ひとつ抑えておかないといけないのが、和泉さんがおっしゃられている通り、劇伴には「良い」か「普通」しかないということです。ここでの良いとは作品を盛り上げることができた。普通とは乱すことがなかった。というイメージです。
そのため、僕の中で作品と音楽の組み合わせは4パターンに分けることができます。
- 作品も音楽も好き
- 作品は好きだが音楽は普通
- 作品は普通だが音楽は好き
- 作品も音楽も普通
批判的に書かれていると感じる方もいらっしゃると思うので、作品名はできるだけ出しません。
1.作品も音楽も好き
こちらについては述べているので割愛します。作品が好きだから音楽が好きになったかもしれないので。
2.作品は好きだが音楽は普通
日常系に多いと思います。内容に沿った音楽作りがされているという印象です。
3.作品は普通だが音楽は好き
このパターンは僕としては結構あります。主に澤野弘之さんの作品に多いと思いと感じています。
4.作品も音楽も普通
特に述べることはありません。
記憶に残っている作品はどれに該当するのか
やはり1が圧倒的に多いと思います。そのため一概に「音楽が優れている=作品が記憶に残る」ではないと思いました。ここで記憶に残っているのは「音楽と映像」の両方です。
次に3だと感じました。僕の場合は音楽が記憶の引き金になっているのが、映像よりも音楽によっているのだと思います。作品の内容は覚えていないけど、音楽が気に入っているため作品のタイトルも覚えているというような状態です。そのため覚えているのは「タイトルと音楽」の状態です。内容は覚えておらず、好きではなかったという印象だけです。
最後に2だと思います。内容は好きだったけれど、思い出す機会は少ないです。Blu-rayを買っている作品ですら、思い出すことがほとんどない状態です。
僕の場合は作品の記憶が音楽に寄っているためこのような考えになったのかもしれません。つまり、映像よりで作品を見る人は少し異なり、3と2が入れ替わる結果になると思います。
まとめ
今回はガールズ&パンツァーを例に上げ、主題歌の重要性について考えてみました。この記事を書こうと思ったのは、ガールズ&パンツァーのオーケストラコンサートを機に、サントラをリピートして聞いていたことがきっかけとなります。好きな音楽たちが重要なテーマソングによって結び付けられていた。その衝撃を伝えたいと思ったからです。
作品にとって当たり前のように存在する重要なテーマソング。その音楽が与える映像への印象。全部がつながって作品ができていることを感じました。今回の記事で、映像だけでなく音楽が作品にとって重要であることが少しでも伝わると嬉しいです。
以上です。それではまた別の記事でお会いしましょう。
※以下おまけ記事。というよりメイン?
おまけ
気に入った曲を作曲者も明記して紹介したいと思います。BGMと少しだけゲームの楽曲となります。
BGM
- 魔法少女まどか☆マギカ ― 梶浦由記
www.youtube.com
幻想的でありながらも恐怖が張り付いた曲たち。この作品を支えたと言っても過言ではないと思います。
- アーティスト: TVサントラ
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- ガールズ&パンツァー ― 浜口史郎
www.youtube.com
ガルパンといえばこの曲。力強い曲調と幅の効いたアレンジが忘れられない曲。
TVアニメ『ガールズ&パンツァー』オリジナルサウンドトラック
- アーティスト: TVサントラ,カチューシャ(金元寿子),佐咲紗花,ChouCho,あんこうチーム(西住みほ(渕上舞)、武部沙織(茅野愛衣)、五十鈴華(尾崎真実)、秋山優花里(中上育実)、冷泉麻子(井口裕香)),ノンナ(上坂すみれ),吉田玲子,こだまさおり,畑亜貴,伊藤真澄,ISAKOVSKIJ MIKHAIL VASIEVICH
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- Angel Beats ― ANANT-GARDE EYES
www.youtube.com
初めて効いた時から耳から張り付いて消えなかった名曲。曲のインパクトが半端じゃない一曲です。
TVアニメ「Angel Beats!」オリジナルサウンドトラック
- アーティスト: TVサントラ,ANANT-GARDE EYES
- 出版社/メーカー: アニプレックス
- 発売日: 2010/07/28
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- たまゆら ― 中島ノブユキ
www.youtube.com
たまゆらのやさしい世界を表現した一曲だと思います。なんというか心がじんわり暖かくなります。こちらはKANAKANAさんによって演奏されたピアノ動画になります。
オリジナルビデオアニメーション たまゆら オリジナルサウンドトラック
- アーティスト: 中島ノブユキ,中島愛,坂本真綾,北川勝利,荒井由実,DEPAPEPE,長谷泰宏,ビデオ・サントラ
- 出版社/メーカー: flying DOG
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- ストロベリーナイト ― 林ゆうき
www.youtube.com
ストロベリーナイトの狂気的な世界に潜む恐怖と、主人公の強さを表現した一曲。素晴らしいの一言。
フジテレビ系火9ドラマ「ストロベリーナイト」オリジナルサウンドトラック
- アーティスト: 林ゆうき
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- 発売日: 2012/02/29
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- ストライクウィッチーズ ― 長岡成貢
www.youtube.com
空を舞台としたストライクウィッチーズにふさわしい広大な曲。この曲を聞くと元気になれるそんな一曲。
TVアニメーション ストライクウィッチーズ オリジナルサウンドトラック
- アーティスト: TVサントラ,石田燿子,宮藤芳佳(福圓美里),坂本美緒(千葉紗子)
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2008/09/24
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- 心が叫びたがってるんだ。 ― 横山克
サントラに収録されている「伝えたいこと」が心打たれる。動画がなかったので、サントラを手にとってもらえば良さが伝わると思います。
- アーティスト: サントラ,コトリンゴ,仁藤菜月(雨宮天),相沢基紀(大山鎬則),成瀬順(水瀬いのり),坂上拓実(内山昴輝),清浦夏実,ミト,横山克,岡田麿里,岩木寿則(古川慎)
- 出版社/メーカー: アニプレックス
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ゲーム楽曲
- ましろ色シンフォニー ― BURTON
www.youtube.com
ましろ色シンフォニーのBGM。ストリングスの音が心地良い一曲。
- 出版社/メーカー: ぱれっと
- メディア: おもちゃ&ホビー
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- きっと、澄みわたる朝色よりも、 ― 樋口秀樹
www.youtube.com
主題歌である「紅葉」。和のテイストを活かした曲が揃っている。サントラだけでも手に取る価値あり。
- 出版社/メーカー: Tynwald music
- メディア:
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- 虚ノ少女 ― MANYO
www.youtube.com
幻想的でありながらも猟奇的な世界を表現した一曲。サントラも必聴。
- 出版社/メーカー: Innocent Grey
- 発売日: 1999/01/01
- メディア: CD
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以上です。「この曲、この人も入れるべきでしょ!!」という声もあるかと思いますが、そのような声はコメント欄にいただけるとありがたいです。もちろん知らない曲の方が多いので…。
長いおまけにお付き合いいただきありがとうございました(_ _)