徒然もの書きぱん

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冴えカノスピンオフ「恋するメトロノーム」1巻の感想と考察|冴えない彼女の育てかた 恋メト

 こんにちは。

 冴えカノ大好きなぱん(@frenchpan)でございます。今回は恋するメトロノームの1巻の感想記事となります。部分的にマンガのシーンを載せながら紹介したいと思います。がっつりネタバレをしていくので、まだ本作品を読んでいない人はこの記事を絶対に読まないでください!

 2巻の感想記事はこちらになります。www.palepalette-blog.com

まとめと感想

TAKI(安芸倫也)と霞詩子(霞ヶ丘詩羽)の出会い

 冒頭、アニメでもあったようにサイン会での出会いを描いている。これがTAKIと霞詩子の終わりであり、安芸倫也と霞ヶ丘詩羽の始まりである。ただのファンとただの作者の関係が終わってしまったことで、詩羽は変わっていくことになる。
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1年後のインタビュー

 アニメの4話の冒頭にもあったインタビューである。邪神 霞詩子に仕える、悪魔神官 町田苑子に頼まれ実現した。インタビューといえるほどまじめに回答していないが…。
 インタビューのまとめに入る段階で詩羽は寂しいと感じている。二人きりの倫也との時間が終わってしまうからだ。詩羽は倫也が好きな気持が伝わってくる。
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霞詩子担当の次期担当編集

 実はインタビューと同じように、次の担当編集をやらないか?と町田さんから誘われている。倫也は霞詩子の作品が大好きだし、何より霞ヶ丘詩羽が心を許す数少ない人間の一人である。そんな詩羽の編集になりたいとも考えているし、自分がそばで作品を、詩羽を支えたいと考えている。学園ハーレムものを書くのが不安な詩羽に対して、ファンのひとりとしての発言をマンガから引用しよう。

でもさ、俺はものすごく読んでみたいな。詩羽先輩の学園ハーレムコメディー。だって、単なるハーレムのまま終わるわけ無いじゃん?あの霞詩子の作品がさ。きっと後半なっていくにつれてハーレムが崩れていってさ、バトルロワイヤルみたいに一人ずつ脱落していくんだよ。しかもその脱落する一人一人のラストシーンがすっごく魅力的に描かれていて、毎巻涙なしには読めない物語になっていると思うんだよなぁ。
そう「恋するメトロノーム」のあのラスト前のシーンが、何巻にもわたって繰り広げられるんだ!それってコアな霞詩子ファンにとってはたまらないモノになるんじゃないかな?

霞詩子の大ファンである安芸倫也だからこそ、霞詩子の作品の魅力を理解し、言葉にし、詩羽に訴えかけている。詩羽はそんな倫也がいるからこそ、渾身の作品を残せているのだ。

次回作への意気込み

 詩羽の意気込みは恋するメトロノームを書き終えてからも変わっていない。それは、

もう一度、あの人を夢中にさせられたらなって

というセリフからも分かる。この言葉の意味は深い。自分を投影した恋するメトロノームのヒロインである沙由佳を最後には幸せにできなかった。これは倫也に認められなかったと考えたからだ。だからこそ、次回作では倫也に作品を認めれもらい、自分を投影したキャラクターを幸せにしたいということである。
 そんな詩羽を見ていた倫也は担当編集になることを決意する。

担当編集としてノリノリな倫也

 編集として尽力しているが、倫也は女性として詩羽を意識していない。だからこそ、そんな倫也を詩羽は意識させたいのだ。でもうまくいかない。きれいな夕日を見てもそれは一緒だった。
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恋するメトロノームの舞台が和合市である理由

 和合市は倫也も詩羽も言っているように何もないただのベッドタウンだ。だけれど、詩羽はこのように考えている。

この街が何の変哲もないからこそ、私の作品の舞台に遊ぼうって思ったの。私の作品は基本的に何の変哲もない話。何の変哲もないラブストーリーに何の変哲もない学園ハーレム。だからこそ、この何の変哲もない町がふさわしい。
ありきたりな生活環境や、変わらない周囲の人間関係に不満を持って。けれど、何もできない女の子がいる。そんな何の変哲もない街にいる、何の変哲もない女の子だって恋をする。そういう作品を書きたいと思ったから。

これは自分とキャラクターをリンクさせている。何の変哲もない自分の地元で、なんの変哲もない自分の恋愛をしたいと。何もできなかった女の子である自分が、キャラクターと同じように成長していく。そういう作品にしたいのだ。

倫也の気になるセリフ

なら邪神はさ…自分の作った罠にハマったりしないの?

これはどういう意味だろうか?倫也が前のページで言っている、

詩羽先輩は…この街で恋したの?

というセリフが関わってくる気はする。自分が恋をしたこの舞台で、試行錯誤を繰り返しキャラクターを魅力的に見せていく。倫也が言いたいことは、キャラクターを見せるために作った読者を落とす罠に自分もハマってしまい、キャラクターを贔屓しないかということであろうか?わからない…
 ひとつわかっていることは詩羽先輩と倫也ではこのセリフの意味合いが違うということである。倫也が言いたいことは「好きなキャラを贔屓するの?」ということ。詩羽が考えているのは「自分を投影したキャラを贔屓するのか」ということであると思う。

霞詩子は締め切りを守らない

 締め切りを破り町田さんに怒られる。そりゃ締め切りってそういうものですよね。詩羽先輩のうちに全力で向います。
行ったら行ったで町田さんなら一昨日の朝には来てると言われる。倫也どんまい。

のりきれない詩羽

 学園ハーレムものがピンとこず原稿からものれていないことが分かる。倫也をいじることで調子を取り戻そうとしていることが分かる。そう上、詩羽は倫也を町田さんと比較し、八つ当たりしてしまう。
 しかし倫也はさすがである。霞詩子の真骨頂が純粋であるがゆえの突き詰めた先にあるものであることを知っている。詩羽のセリフのプロットをつなぎ合わせることで謝罪する。過去のあやまちを、今の言葉で、彼女の心に突き刺さるように。プロットのキャラクターと心を重ねるようにして謝罪をする。この想いは誰よりも詩羽に響いている。
 その結果が倫也に送られたプロットであり、二人の心の距離は一歩進めたことを表している。これから作者と編集者として歩んでいくことが伝わってくる。

霞ヶ丘詩羽は乙女である

 二人きりのときは必ず「倫理君」と言うが、一人の時は強がらずに「倫也君」という。一人で倫也に言われたことを思い出している。ただの恋する女の子だ。
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沙由佳は詩羽

 恋するメトロノームで沙由佳は主人公とは結ばれなかった。それはなぜか。結ばれなかった女の子である沙由佳は詩羽をモチーフとした女の子である。同様に詩羽も倫也に否定されてしまった。その結果が、沙由佳の失恋であった。
 だから今回、詩羽は告白の途中で泣いてしまった。自分の過去を、倫也に認められなかった冬を思い出してしまったから。それゆえの最後の

さよなら“倫理”君

この言葉から、彼女の倫也との時間は止まったままだ。

まとめ

 以上が1巻の感想・考察になります。ブログを書いていると中途半端なものは出せないと思ってまじめに書いてしまうのですが、そうすることで今まで見えてこなかったセリフの意味が見えてくるからおもしろい。今回も、和合市である理由はふと思いついたことだったので、またひとつ深く作品を理解できたと思います。
 2巻の感想も近いうちにあげようと思います。冴えカノの記事が増えてきてとても嬉しい!

 以上です。それではまた別の記事で会いましょう!