島村卯月を振り返る① ～頑張りますという言葉だけでは頑張れない～｜アイドルマスターシンデレラガールズ感想考察

はじめに
21話までの卯月を簡単に振り返る
これまでの卯月を整理する
アイドルとなった彼女が目指すもの
卯月が知らない卯月の良さ
まとめ

はじめに

　こんにちは。

　アイマスが大好きなのでデレマスも視聴しています。アイマスはアイドルとしての夢や挑戦といった葛藤を丁寧に描いてくれているので、とても緊張感をもって楽しめています。
　今回は島村卯月という女の子について、「頑張ります！」というセリフから注目してみようと思います。
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21話までの卯月を簡単に振り返る

　卯月は養成所に通っており、まわりの子たちがやめてもひとり残ってまでレッスンを続けてきた。スタッフとしての参加をきっかけにシンデレラプロジェクトに抜擢される。同様に抜擢された凛と未央とのユニットを結成。他のシンデレラプロジェクトのメンバーと協力してフェスを成功させる。
　しかし常務の意向によりシンデレラプロジェクトは解散。凛は別のユニット、未央はソロ活動に比重を置き、卯月は小日向美穂とユニットを結成する。

これまでの卯月を整理する

　卯月はまわりがやめて一人になってもアイドルを目指す強い想いがあり、それが軸となりユニットが成功した。凛がアイドルになる目的を探すのとは対照的に、卯月はアイドルになる目的が決まっていた。

彼女は何のためにアイドルになったのか

　卯月は養成所に通うほど、アイドルという職業に夢を持っていた。しかしプロデューサーの「やりたいことはないか？」という言葉に対して出た言葉は、「CDデビューもした。ライブも出来た。ラジオ出演も出来た。」というもの。一般的にアイドルがやっているアイドルらしいことについてだけ。彼女が目指していたのは1話でも述べているとおり“自分がアイドルらしくなること”なのである。

21話時点の彼女に目標はない

　つまり21話現在において、彼女は自分の目的であり目標を達成していることになる。新しい自分の可能性に対して積極的に取り組む凛と未央とは異なり、自分がアイドルとなった凛と未央と三人でユニットを組み続けることが彼女の目標の維持となる。
　それが達成できない以上、彼女は現在目指すべき場所がない。オープニングにおいて卯月からなにかが失われる演出がある。あれはユニットの喪失だけを表しているのではなく、彼女が目指していく目標の喪失も指しているのではないかと思う。

卯月の主体性の無さについて

　彼女の人間性の本質は「待つ」ことである。シンデレラプロジェクトの始動をただ待ち続けたことがそれを表している。いくら自分が不利になる可能性があったとしても、何の文句も言わず数ヶ月耐えることを普通はできない。それだけ彼女は待つことが本質なのである。
　しかし卯月がこのアニメで一度だけ能動的に動いた場面がある。1話の凛に会いに行くところである。この時の彼女の目標はアイドルになることであり、一緒に歩んでいく仲間に会うことは目標に一歩近づくこととなる。つまり彼女は目標があれば自分から動くことができるのだ。夢を叶えることにつながれば動けるのである。そのため今の夢のない状態では頑張ることはできない。凛も未央も美波も、目標があるから頑張れるのだ。

アイドルとなった彼女が目指すもの

　“自分がアイドルらしくなる”という目標を達成した今、彼女はどこを目指していくのだろうか。それが今後の話の軸になる。そしてそのときこそまた主体的に行動することが来るだろう。

卯月が知らない卯月の良さ

　卯月は凛と未央を自分と比較して何もないと考えている。それに対してプロデューサーは「笑顔」と答えている。実際にプロデューサーは卯月の笑顔に救われている。
　卯月の魅力は笑顔。僕もそれには同意だ。1クール目でも2クール目でもオープニングで一番笑顔が輝いているのは卯月だ。卯月の笑顔の力を僕たちは既に実感している。だからこそ、卯月が人を笑顔にするという目標を持って再びステージに立ってくれることを信じている。