『僕は君たちに武器を配りたい』を読んで、何からやれば良いか整理できた気がした
今回も読書会で面白そうだと思った『僕は君たちに武器を配りたい』を読みました。 いろいろ考え事が増えて不安になっているこのタイミングで、本書と出会えたのは非常に幸運でした。
基本情報
僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)
- 作者: 瀧本哲史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/11/15
- メディア: 文庫
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- 作者: 瀧本哲史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/22
- メディア: 単行本
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ページ数: 293ページ
読むのにかかった時間: 2時間弱
私が思う対象読者: 日本ではたらく人
簡単な内容
まず資格と需要は関係がない。それがTOEIC900点であろうと弁護士であろうと、人数に対して溢れている場合が往々にしてありうる。資格の有無ではないが、歯医者も美容室も身近に溢れかえっている。つまり強豪が非常に多いということになる。だからその職業になるための努力は、その職業になったからといって報われるわけではないし、数が溢れているということは、需要を獲得するために値下げ競争(コモディティ化)が始まる。その人にとって効果が同じ2つのものがあったら、基本的には安いほうが選ばれる。それは職業でも同じで、スキルが変わらないのであれば安いほうが選ばれる。だから差別化を図る必要がある。
スキルの差別化
儲ける方法として、本書では漁師を例に挙げ6つのパターンに分類している。
- 商品を遠くに運んで売ることができる人(トレーダー)
- 自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人(エキスパート)
- 商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人(マーケター)
- 全く新しい仕組みをイノベーションできる人(イノベーター)
- 自分が起業家となり、みんなをマネージしてリーダーとして行動する人(リーダー)
- 投資家として市場に参加している人(インベスター、投資家)
そして、その中のトレーダーとエキスパートはコモディティ化しやすいとしていた。自分の中でトレーダーの価値が下がるというのはイメージできていたが、エキスパートまでもがそうだという印象はなかった。エキスパートが持つスキルとは、時代の流れによってすぐ陳腐化してしまう。そのスキルを時代に合わせて更新できる人は、指していないようであった。
ここでは扱わないが、以降は各章でそれぞれの儲け方について解説している。
印象に残ったメッセージ
- イノベーターとは、全く新しい何かを作るのではなく既存のものを組み合わせられる幅広い知識が重要。
- リーダとは、何かを指示するだけではなく結果に対して責任を持たなければ誰もついてこない(日産のカルロス・ゴーンを例に挙げている)。
- サラリーマンは、ハイリスク・ローリターンであり、会社の成果が自分の実績と紐付かない場合が多いにもかかわらず、会社が沈んだ際には個人まで影響を受ける。うまく会社の状況を掴み、自分が会社という船から降りるタイミングを見定める必要がある。船から降りるのがおそすぎると市場価値がない場合もある。
- ビジネスにおいてグローバル化は必須であるため、もし自分に武器があるのなら英語を学習するべき。ただ武器がないのなら英語を使う場面すらもないため、英語を学習する前に武器を身につけるほうがいい。
まとめ
私自身、どういうキャリアを積んでいくのが良いか非常に悩んでいます。そして悩んでいる割には行動に移せていないことも問題のあるところです。そんな私にとってこの本は、危機感を煽るとともに方向性を示してくれました。英語が苦手な私にとって、英語をどのタイミングで学習しようか悩んでいまいたが、今やるべきではないと思い優先度を落とそうと思います。
どの分野でどのようなスキルをもって働いていきたいかはまだ見えていませんが、そのスキルを他者と比べる勇気は持ち続けていこうと思います。