徒然もの書きぱん

適当にアニメとかについて書いてます。今期は何について書きましょうか。

マンガ『思い、思われ、ふり、ふられ』――ページをめくるたびに悶える青春がここにある

こんにちは。

ブログを更新するのは非常に久しぶりで何を書けばいいかわからなくなっていますが、とりあえず先日読んだ『思い、思われ、ふり、ふられ』(以降、ふりふら)が最高を超えているのでご紹介します。

思い、思われ、ふり、ふられ 1 (マーガレットコミックス)

思い、思われ、ふり、ふられ 1 (マーガレットコミックス)

『ふりふら』を読む前の勝手な印象

 僕は咲坂伊緒さんの作品がとても好きです。といっても、連載された『ストロボ・エッジ』と『アオハライド』ぐらいしか読んではいませんが。とはいえ、この2作の出来は非常に高かった。
 『ストロボ・エッジ』は、恋愛マンガの代表作であると感じているほどに完成された作品であった。主役だけではなく、密に配置された光り輝く脇役たち。キャタクターたちが生きている世界の優しさと切なさに触れられる作品であった。(『ストロボ・エッジ』を未読の方はこの記事を読まずに『ストロボ・エッジ』を読んで下さい。)
 そしてその咲坂さんが次に出した『アオハライド』。この作品は序盤の怒涛の展開に対して、終盤でもたついてしまう印象がある。そのためそれほど印象的な作品にはならなかったが、女子3人の幸せを描ききったのではないかと思う。
 この2作に触れて感じていたのは、『ストロボ・エッジ』が咲坂さんにとって最高の作品なのかもしれないということだった。だから、『ふりふら』を読むのが非常に怖かった。『ストロボ・エッジ』で感じていた高揚感は、もう得られないかもしれないと思ったからだ。

ストロボ・エッジ 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

ストロボ・エッジ 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

アオハライド 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

アオハライド 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

『ふりふら』を読んだあとの感想

 最新5巻まで読み終えた今、あれだけ最高だと言っていた『ストロボ・エッジ』を超える気さえしている。『ふりふら』は、これまでの作品のように幸せになるであろうひとりのヒロインにフォーカスを当てるものではなく、考え方の違うふたりのヒロインにフォーカスが当たっている。恋愛経験もなく人見知りな由奈と、サバサバとした大人っぽい考え方をする朱里。このふたりが友人として進展していくに連れて、由奈が見える世界も広がっていく。その由奈に影響を受ける朱里とその周辺の人物たちの関係性が見ていて心地のよいものになっている。

 そして『ふりふら』が素晴らしいと思える点がいくつかある。

由奈のポテンシャルの高さを感じさせない入り

 先程も紹介したが由奈は冒頭非常におとなしい女の子として登場する。夢見がちで待ちに徹する女の子。朱里に影響を受けて、どんどん前を向く、目が合う女の子になっていく。それなのに、これまで由奈もっていた考え方をそのまま身につけていく。そして笑顔があまりなかった彼女の満面の笑みを見て、この子の可愛さを再認識するのである。最初はこんなに可愛くなると思っていなかった。内面だけでなく、外面もどんどんかわいくなっていく。人間的な由奈の成長を感じさせる作りとなっている。

同性から見ても分かる男子のかっこよさ

 本作では和臣と理央というふたりの男子が登場する。ひとりは由奈の幼馴染で、もうひとりは朱里の弟である。そしてこのふたりが最高にかっこいい。自分の心情をヒロインに重ねながら読んでいることもあり、彼らのとる行動によって動揺してしまうのである。和臣は自分の素直な気持ちを相手に伝えることのできる精神的な理解者であり、飾らない隙の多い無意識な発言によって心を揺さぶってくる。理央は一見気高くとまっていそうだが、自分の心情を曲げない真っ直ぐさがある。本当にふたりの男子が最高にかっこいいのである。

友人を大切にする

 これは当たり前のようだが、なかなかうまく表現できないものだと思う。同性であっても異性であっても、互いのために行動し合える関係というのは現実であってもマンガの中であっても難しい。この作品には、そういう当たり前の難しいことがたくさん散りばめられている。

最後に

 今回『思い、思われ、ふり、ふられ』を手にとることが出来て非常に良かったです。自分の中の最高の恋愛マンガを更新することができそうで、そしてまたひとつ勇気をもらえた気がします。自分と同じように咲坂さんの描く世界が好きな人には、ぜひ手にとって貰いたい作品になっています。この記事を最後まで読んでくださった方の心に響く一作となることを願って。

思い、思われ、ふり、ふられ 1 (マーガレットコミックス)

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